昨日からの雨は、休むこともなく降り続いている。
小降りになったところで、田んぼと川の様子を見に行ってきた。
谷川の水が溢れて田に流れ込むこともなく、畦を切っておいたので水も溜まっていなかった。
重そうな稲穂が雨に打たれて、今にも地面につきそうだが、このまま風雨に耐えてくれるのを願うだけだ。
まわりの田では、強い雨で稲が耐え切れずに倒伏しているところが増えている。
隣の田は、稲の一部が倒れたので、雨の中で刈り取りが始まった。
少しでも取り入れておけば、水に浸かって稲が泥をかぶることもないし、籾も発芽しないので、手のある家は稲刈りをやっている。
田んぼの崖下を流れる川は、増水してやや濁りも出ていたが、心配する状態ではなかった。
このあたりは人工林が少ないので、大規模な山崩れの危険はあまりない。
広葉樹は保水力もあり、根を地中深く張るので、急な斜面もしっかり支えてくれる。
全山植林で脆くなった山が、杉の大木を草のようになぎ倒して崩落していくさまを、度々映像で目にする。
流出した木が橋桁や護岸を壊し、海を漂う流木で漁船や魚網にも、甚大な被害を与えている。
植林を奨励した林野庁も、今どきの自然の猛威は想定外だったろうが、誤った行政のつけが忘れた頃に来るようでは、住民も堪らない。
自然に逆らえないことを肝に銘じて、せめて人災だけは避けたいものだ。
山間部に比べて、都市部が自然災害に対して安全とは言えない。
コンクリートで固められた町は、予想を超える豪雨に耐えられず、常に危険に晒される。
人口や各種インフラが集中しているので、ライフラインが途絶えたときの影響は計り知れない。
名古屋では、100万人を超す人たちに避難指示・勧告が出された。
人口の半分が、一斉に避難行動で買占めをしたり移動を始めたら、それこそ大パニックに陥り、都市機能も麻痺してしまうだろう。
伊勢湾台風や東海豪雨の教訓を生かすことは大切だが、過剰対応にも問題がありそうだ。
ここでは停電がよく起こるので、その備えはしているし、短時間ならパソコンの復旧や、家電製品の再設定などで多少慌てる程度で済む。
プロパンを使っているので一斉に止まることはなく、残量があればしばらくはしのげるし、薪を使う釜もある。
生活用水は湧き水で、埋まらない限り水に困ることはないし、万一の時は谷川も利用できる。
日常の不自由さを少し我慢すれば、山里暮らしはとても安全で快適だと思っている。