今日も雨降りで、ここしばらくは太陽の姿を見ていない。
長雨で籾の成長が心配だが、天気だけはどうしようもないし、水に浸かった被災地の田を思うと贅沢はいえない。
上手く受粉が出来なかった白穂や、カメムシに吸われて黒変した籾が多少混じっているが、見た目には去年より出来は良さそうだ。
今日の午後、飛騨古川へ行く途中で、国府町を通りかかったら、一面にそば畑が広がっていた。
ここは飛騨の穀倉地帯で、山国としては珍しく大きな田畑が広がっている。
最近は米からそばへの転作が増えて、年々そば畑が増えている。
白いそば畑と黄金色の稲田が交互に並ぶ風景は、背景の山の緑が映えて美しい。
近づいて田んぼを見ると、稲があちこちで倒伏していた。
原因はいろいろあるようだが、日照不足や肥料のやり過ぎで稲の成長バランスが崩れ、茎が徒長した結果だと言われている。
重くなった籾を、徒長した茎が支えきれずに倒れてしまうが、それに追い討ちをかけるのが激しい雨や風である。
稲が倒れると、穂が田んぼの泥で汚れたり、水につかって発芽したりして品質が低下するし、稲刈りも難しくなる。
去年はこの集落でも多くの田が倒伏して、取り入れに苦労したり、等級を落とされて嘆いていたが、幸い今年はそうした姿は見ないで済みそうだ。
米作りは、一瞬の自然の気まぐれで、春先からの努力が水の泡と帰すこともしばしばある。