名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

栃の実が頭を直撃した

2011年09月03日 | セカンドルーム

 

飛騨地方は、風が少々強く時々雨が降る程度で、今のところ台風の影響は無い。
萩の花が咲き乱れ、すすきが風に揺れている様は風情があって良いが、被害にあわれた人たちのことを思うと、のんびり花を愛でる気にはなれない。

田んぼを見回りに行ったが、稲は昨夜の雨の影響は無く順調に育っている。
大きく垂れた稲穂に、様々な虫がやってくる。
中でも厄介なのがカメムシで、未熟な籾の養分を吸い取り、米粒が黒変して収量や等級に影響するので、農家の人たちに嫌がられている。
見つけ次第潰しているが、嫌な臭いが手に残ってなかなか消えない。

 


今朝、農道を歩いていて、風のいたずらで落下した栃の実が、頭を直撃した。
軟らかい外皮に包まれているので、痛くは無かったが突然のことでびっくりした。
まわりを見たら、栃の実がたくさん落ちていた。

今は実を拾う人もいないので、野生動物の貴重な餌になっている。
むかしは、米の取れない飛騨の山村で、稗や蕎麦と同様に、主要な主食の一つであった。


黄みを帯びたきめ細かい実は美味しそうだが、渋みやあくが強いので、木灰であく抜きをして臼でつぶし、水に晒して渋みを取らなければならない。
食べるまでに手間隙のかかる栃の実は、食卓から消えてしまったが、飛騨みやげとして栃餅や栃の実せんべいとして売られている。
縄文人も好んで食べ、飢饉に備えて栃の木を切らなかったという歴史のある食材は、おみやげ屋の店頭でしか見ることが出来なくなった。

コメント (6)
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