今日は曇り時々晴れで、にわか雨も降ったが、夕方には青空が広がり、茜色に染まった空が爽やかだった。
涼しくなったせいか、田んぼの虫も急に少なくなって、今はアキアカネやカマキリ、イナゴぐらいになってしまった。
固くなった籾を嫌ってか、カメムシまでがどこかへ移動していった。
幾多の試練を乗り切った稲穂が、黄金の波を打つ姿はとても頼もしく見えた。
燻製作りの三日目は、いよいよ最終工程の燻煙と熟成である。
冷蔵庫へ20時間以上も入れておいたサーモンとホタテは十分乾いて、一回り小さくなっていた。
素材の表面に、刷毛でサラダオイルを塗って、燻製器の下段に並べた。
電熱器を弱に入れてしばらくすると、スモークチップが焦げて煙が立ち昇ってきた。
午前7時に点火して、10時まで40~50℃で燻して、取り出した時はいい香りが漂ってきた。
すぐに食べたいのをぐっと我慢して、ネット情報通り夕方まで冷蔵庫で熟成することにした。
ほんとうは24時間ほど冷蔵庫に入れておくと、程よく水分も抜け、煙も落ち着いて最高の味と香りになるとのことだが、今回は夕食に間に合わせようと端折ってしまった。
サーモンは、味と香りが予想以上で、これがスーパーで買ったトラウトサーモンかと思うほど旨かった。
ホタテは、やや色が付きすぎたことと、しっとりとした食感にも欠けたのは残念であったが、旨味は凝縮されて噛むほどに味が出てきた。
冷蔵庫での乾燥時間が長すぎたことと、併せてピチットシートを使ったために、水分が抜け過ぎて、柔らかくて繊細な食感が失われたのかもしれない。
それと、違う素材を、漬け込みから燻煙まで、同じ工程でしたのも良くなかった。
しっとり感を出すためには、木陰の風乾と定温で燻す冷燻が良さそうだ。
身の締まった燻製は、単品でそのままおかずやおつまみにしても美味しかったが、保存がきくので、ほぐして炊き込みご飯や炒め物に使っても合いそうだ。
自作燻製器と自家製スモークチップのテストとしては、まずまずの燻製が出来たが、課題もいろいろあった。
山家料理としては少しおしゃれ過ぎるが、課題をクリアして、もっとフレーバーで美味な燻製を作ってみたい。