名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

葉タバコ栽培農家が消えていく

2012年06月12日 | セカンドルーム

 

集落には葉タバコの畑が3面あったが、今年は全部耕作をやめてしまった。
高台にあるタバコ畑は、いまだに空き地のままになっている。

 


去年の今頃は草丈が大きく伸びて葉も茂り、きれいなピンクの花を付けていた。


タバコの栽培農家は、専売公社の時代から全量買取りで安定した収入が得られていた。
昨今の健康志向やタバコの増税などで生産が減少し、JTは栽培農家に対して廃作を勧めてきた。
特に高齢者や後継者のいない農家に対しては廃作勧奨が積極的で、小規模農家は今年の作付けを止めたところが多いという。
1年間の収穫に見合う協力金は、先行きに不安を感じる農家にとっていいきっかけになったが、弱者が犠牲になる構図は昔から変わらない。
これで国内の葉タバコ生産は激減するが、JTはタバコの製造を止めるとか、大幅に減産をする意向はないようだ。
むしろ、コストのかかる全量買取の縛りが解け、円高を背景に安い葉タバコの輸入を目論む姿勢が垣間見える。
先進国がこぞって禁煙に進む中で、需要が減って安くなった葉タバコを輸入しようとする魂胆であれば情けない。
世界禁煙デーにWHOの事務局長が「タバコ産業は600万人の命を奪う殺人産業」とセンセーショナルなコメントを出していた。
日本でも喫煙や受動喫煙による年間死者は十数万人と言われていながら、禁煙の強力な法制化は遅々として進まない。
目先の税収や利権に目が眩み、国民の健康を無視する行為は、安全性が確認できないまま原発再稼動に突き進む姿と似ている。

コメント (2)
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