裏山の草がかなり伸びてきた。
熊笹やすすき、蕗、ゼンマイ、ワラビなどが入り乱れて茂り、まともに歩けない。
ユキの体も隠れる状態なので、動物が潜んでいてもわからない。
草に隠れて見えなかった笹ゆりが、あちこちで蕾を付けていた。
ピンクや白など大小さまざまな蕾は、間もなく開花するだろう。
蕾をつけていない笹ゆりは、名前の通り茎や葉が笹とそっくりなので、間違えて度々刈り取ってしまった。
年に一度しか咲かない花のために、下草刈りは咲き終わってからすることにした。
マタタビの葉が、お白いを塗ったように変化していた。
花が咲き実が付く頃に葉が白化するのは、受粉昆虫を呼ぶためと言われている。
マタタビの実は猫の好物として有名だが、焼酎に漬けたり生薬としても利用される。
木苺もオレンジ色に熟して、ちょうど食べごろになっていた。
栽培種と違って実が小さく甘味もやや薄いが、つまむとぽろっと落ちるぐらいに完熟した実は、野趣溢れてとても美味しい。
山椒の実もちょうど取り頃の粒になっていた。
飛騨山椒は、昼夜の温度差が大きい高冷地で育ち、香りが高いことで人気がある。
今年も裏山は、自然の恵みでいっぱいだ。