春の遅い飛騨では、1ヶ月遅れの6月5日に端午の節句が行われる。
男の子のいる家では、今日まで鯉のぼりや武者人形が飾られる。
邪気を祓うために菖蒲湯に入ったり、菖蒲酒を飲んだりもする。
よもぎと一緒に風呂に入れる家や、菖蒲だけでよもぎは束ねて玄関に吊るして厄除けにしたり、菖蒲で鉢巻をすると元気に育つなど、家ごとの習わしは様々だ。
散歩の道すがらに菖蒲とよもぎを採ってきたので、今夜は両方風呂に入れて菖蒲で鉢巻をし、後は束ねて玄関に吊るしておこう。
恋の季節を迎えた蛙の雄たちのラブコールが、あちこちの田んぼから聞こえてくる。
今朝も相手を見つけたカップルが、畦でデートを楽しんでいた。
水際には泡状の卵塊が、点々と生み付けられていた。
それを餌にするイモリが寄って来て、盛んに食べている。
畑ではテントウ虫の繁殖活動も活発で、野菜の葉っぱにはカップルがたくさん止まっている。
大発生すると葉がメッシュ状になってしまうが、野菜たちの生命力も旺盛で次々と新しい葉を出して耐えている。
擬態が巧みなテントウ虫も、野鳥やスズメバチの格好な餌になっている。
今年も作業場の軒下に、スズメバチが巣をかけ始めた。 まだ野球ボールほどの大きさだが、家族が増えるにしたがってどんどん大きくなっていく。
2年続きで土間の天井と、押入れの天井裏に巣をかけられて緊張したこともあったが、屋外ならお互いに無視していれば刺されることは無い。
台所の土間に置いてある粘着シートに、昨夜はネズミが一匹ついていた。
明日片付けようと、そのままにしておいたら、今朝は青大将がくっついていたので、足がすくんでしまった。 全身ネバネバが絡み付いて、床下へ逃げ込めなかったようだ。
以前もネズミの付いたシートが忽然と消えていたので、イタチの仕業かと思っていたが、どうやらネズミを狙ったヘビが犯人のようだ。
6月になると家に居ついていたネズミが、家から姿を消す。
新鮮なエサを求めて戸外へ行くのだと思っていたが、これは間違いで冬眠から覚めて家に入ってくるヘビを避けていたようだ。
どちらも同居はしたくないが、勝手に入ってくるので避けようが無い。
この時期になると、家の中でも外でも命の営みが繰り広げられる。