
円空仏彫刻では、何種類もの鑿や彫刻刀、
小刀を使って彫っている。
使っている間に、刃が欠けたり、切れ味が鈍ったりするので、
刃物の研ぎは欠かせない。
そのため、稽古日の前日には、使う刃物を研いでいる。

砥石は荒砥と中砥、仕上げ砥石を使い分けている。
荒砥石は欠けた刃を削り直し、中砥石は刃先を出す研ぎで、
仕上げ砥石は最後の工程で、細かい傷などを直し、切れ味をよくする。
刃表を一定の角度で研ぎ、刃返りが出来たら、刃裏を研いで出来上がる。

↑ 中研ぎ
刃が欠けていたり、丸研ぎになっていたりすると、
一本研ぎ上げるのに1時間ほどかかる。
切れ味の良い刃物は使っていて気持ちがいいし、
余分な力を使わないので、怪我をすることも少ない。

↑ 仕上げ研ぎ
最近は便利な替え刃や、使い捨ての刃物も多く出回っているが、
手に馴染む道具に仕立てて行くのも、楽しみの一つと思う。