
「すいとぴあ江南」で開催中の講座「円空仏に挑戦」の、
第2回は江南市の音楽寺で開かれた。

「琴聲山音楽寺」は、元暦元年(1184年)開基の古刹で、
円空作・薬師如来像 、十二神将像、護法善神像など
計16体が保管・展示されている。

↑ 円空仏が保管されている歴史資料館
拝観日は、アジサイ祭り開催中と、近くの曼陀羅寺で
開催される、藤まつり期間中の土日のみである。

今日は講座開催のため、円空仏の拝観が許され、
円空学会・長谷川公茂氏の講演を聴いた。
昭和8年生まれの長谷川氏は、円空研究の第一人者で、
円空仏を世に紹介し、多くの著書も出版されている。
謎の多い円空の出生から、64歳で入寂するまでの
足跡を、2時間に渡って語られた。
父親も分からず、幼児期に長良川の洪水で母を失うという、
過酷な運命を背負いながら、微笑む仏像を彫り続けたのは、
苦しむ庶民に安らぎを与えるためと語られた。

講演の後に、 「虚空菩薩像」が印刷されたカードを
プレゼントされた。
裏には「この円空仏のような微笑みを、誰にでも施しましょう。」
と記されている。
殺伐とした時代に、微笑む余裕の無い人も多いが、
心しなければならない言葉だと思う。