今日の日本対シリア、結果は日本の5-0という圧勝に終わりました。前半からCKを10本以上取り続け、圧倒的に相手に圧力をかけ続けたことが、最後にシリアの足が止まって一気に3点を追加した攻撃に現れました。こういうところで、容赦しない攻撃は評価できますが、この試合に関しては本田圭佑や吉田麻也がコメントしていたように、課題の方が目についた試合でした。
シリアは、今までのアフガニスタン、シンガポール、カンボジアとは違って、カウンターで前に上がるタイミングで3、4人人数をかけて上がれるチームでした。そのため、ボールの失い方が悪いと一気に逆襲を浴びる可能性がある相手でした。特に、攻撃が手詰まりになるとアンカーの長谷部を上げてミドルシュートを狙わせる、そのタイミングがシリアの狙い目だったように思えます。
この試合では、日本の最終ライン3枚に対し、シリアが3枚上げているチャンスは何度かありました。最初は長谷部がヘディングの強さで「回収」していましたが、後半に山口蛍が負傷交代して原口が入ったタイミングが、シリアのチャンスでした。原口は本職のボランチではなく、長谷部の動きを見ながらポジショニングを考えている様子が見て取れました。
そのため、本当にぎりぎりの状況になったときに、原口がいて欲しいところにいなかったピンチが多くなりました。今回、ボランチを3人しか招集していなかったことが影響しなければいいがと気にしていましたが、それは表に出ることになってしまいました。それでも、1回はシリアのミドルがポストを叩き、2回はGK西川周作がファインセーブを見せて、何とかスコア上は相手をゼロに抑えることができました。
もちろん、山口蛍に代えて原口を入れた、ハリル監督の采配ミスですが、その場面では2点をリードしていた以上落ち着かせる選択肢もあったはずです。吉田麻也も「最終予選の相手ではこううまくは行かない」とコメントしていたように、少し戦い方にばたついたところはあったと感じています。
それでも、本田圭佑や香川真司が出ることによる、相手守備への圧力は相当です。ついに、シリアの守備網が決壊した事実を見れば、少なくとも攻撃ではアジアレベルには通用する、それだけは確信できた試合でした。