Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

魔術師の幸運と不運(フランサ)

2008-06-30 21:06:05 | 他チーム
またしても、浦和敗戦のため、浦和の選手をクローズアップする記事は書けません。そのため、またも他チームネタで、柏の「魔術師」、フランサをネタにします。フランサはブラジル人ですが、来日前はドイツのレバークーゼンで、浦和のポンテとともにプレーしていた実力派です。

ただ、優勝を狙う浦和に加入したポンテとは違って、フランサの加入した柏は残留争いの最中でした。フランサには、すぐに戦力になってもらうことが期待されていました。しかし、来日してからのフランサは負傷がちで、なかなか思うような活躍はできませんでした。田中達也が重傷を負ったことで記憶に残っている浦和対柏戦(駒場)も、フランサは出ていなかったと思います。

結局、この年の柏はリーグ戦で16位に終わり、入れ替え戦で甲府に敗れJ2に降格することになりました。あまり戦力にならなかったフランサは、このまま去っては申し訳ないと思ったのか、J2に落ちた柏と再契約します。

今は、浦和がJ2に落ちたときに主力選手をほとんど残せたときとは事情が変わっていて、代表入りを狙う選手はすぐにJ1に移籍してしまいます。柏も、玉田、明神、波戸、矢野らの主力選手を失いました。しかし、このJ2降格は、フランサ個人にとっては、必ずしも悪いことばかりではありませんでした。

それは、フランサのプレースタイルが理由です。あまり動くFWではありませんが、敵はもちろん、ときには味方すらも見抜けないような意外な個人技が売り物の選手だからです。こういう選手が生きるには、時間をかけて周りとコンビネーションを合わせ、周りもパスが来ると信じて走らないといけません。

柏がJ2降格で、若手主体のチームに生まれ変わったのは、周囲の運動量が必要なフランサには追い風になりました。柏の若手選手も、信じて走ればパスが出てくるという快感を味わったことでしょう。そのため、1年でJ1に復帰した柏は、フランサのテクニックを存分に生かし、一度も降格の心配をする必要がない位置につけていました。

動く元気なチームというイメージの柏ですが、中心でリズムを変えるフランサの存在が、その元気さを際立たせていると思います。土曜はあまりにも浦和の動きが悪かったので、思わずフランサの個人技に目をやってしまいました。結構見事です。
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もつれた乱戦(6/29FC東京対千葉)

2008-06-29 21:38:12 | 他チーム
次節浦和が対戦するという理由で、FC東京がどういうサッカーをしているかは気になっていました。ただ、柏と同じサッカーはできなそうです。2トップがあまりスピードのあるほうではない、平山とカボレのコンビで、闘莉王を最終ラインに下げれば十分止まる相手に思えます。

また、CBも開幕時点ではブルーノ・クアドロスと茂庭のコンビを予定していたでしょうが、この日のスタメンCBは佐原と藤山でした。ただ、背の低い藤山は以前見た大宮戦で動きの速さを見せていい守備をしていました。単純にエジミウソンや高原を狙うサッカーでは「動き負け」の可能性もあります。

ただ、この試合そのものは波乱の展開でした。前半の早い時間で、千葉のカウンターでレイナウドが抜け出し、これで今野がユニフォームを引っ張る反則で一発退場になり、しかもPKです。しかし、このレイナウドのPKがGK塩田に止められます。塩田は以前からいた選手ですが、去年ついにベテランの土肥から定位置を奪って、正GKになりました。

今が乗っているGKで、昨日の柏GK菅野と同様、勢いのある選手です。浦和としては塩田のファインセーブ連発という展開になっても慌てないようにしたいです。ただ、千葉は4-5-1でカウンター主体のサッカーで建て直しを図っていますから、数的優位という練習はあまりしていなかったように思えます。

事実、数的優位でうまく攻め込んだ場面は少なく、しかもFC東京にCKから佐原のヘディングで先制点を決められてしまいます。これが勝っていないチームの脆さかと思い、ちょっと観戦を中断していました。しかし、千葉にはほんの少し、幸運がありました。FC東京がクリアの場面で金澤と佐原が接触して、佐原が出血で一時ピッチを離れている時間がありました。

この時間、FC東京は9人でした。この好機を千葉は見逃しませんでした。サイドからのクロスにレイナウドが頭で押し込んで、同点に持ち込んで引き分けにしています。千葉にとっては、残留争いをするには最低でも試合数と同じ勝ち点が必要ですから、勝ち点1でも取れるときには取っておかないといけません。そういう意味では、千葉の方が得たものの多かった試合かもしれません。
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枝豆

2008-06-29 18:08:44 | 雑記
今は冷凍技術の発達で一年中食べられる枝豆ですが、私にとっては夏の到来を告げる「季語」です。決して変わった味付けはなく、シンプルな塩味ですが、少年時代からずっと好きな味です。大人にとってはおつまみですが、子供時代はお酒を飲んでいる大人に混じって、おやつの代わりに食べていたなと、冷えたビールを飲みながら思い出していました。
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構造的欠陥(6/28柏対浦和)

2008-06-29 00:15:37 | 浦和レッズ
確かに、決勝点は、梅崎がボールを失って食らったカウンターから、フランサがうまくさばいて太田が決めたゴールです。しかし、この試合の敗因は決して梅崎ではありません。それまでの試合内容があまりにも悪すぎました。この内容で勝ち点を拾うと、変に勘違いしそうですから、今日は勝ち点0の方が選手もエンゲルス監督も、問題点をあぶり出せる好機と思います。

柏は予想通り4-5-1でしたが、トップ下に入った李忠成の動きが曲者でした。普段は持ち前の運動量で、時折守備もしているのですが、攻守が切り替わるとたちまちFWになります。ゲームメーカーではない、しかもマークしにくい、嫌な相手です。この李忠成を生かそうとした柏の策も見事でした。

それは、浦和が三都主、ポンテと負傷明けの選手に頼っているチーム状態を読んで、中盤を飛ばしたロングボールでスピード勝負を挑んだことです。こういう速いサッカーをされると、負傷明けのポンテ、戻りの遅い闘莉王が中盤にいる浦和は、どうしても鈴木啓太一枚で止める必要が出てきます。

事実、カウンターを食って、鈴木啓太が止めた場面で、ちょっと見るポイントを変えて浦和のバイタルエリアを見ると、見事なほどぽっかりと空いていました。1トップのポポのスピード対策で起用された坪井も、キックが不安定でなかなか試合の流れを切れませんでした。

たまたま、相手のシュートがクロスバーやポストに当たったり、都築がファインセーブをして終盤まで1点で済みましたが、サイドを次々に崩された、ナビスコ杯の悪い流れを引きずっている試合内容でした。やはり、守備に不安のあるポンテが入ったことで、これまで梅崎や永井がボランチの位置まで引いて穴を埋めていた、「闘莉王の守備」がクローズアップされてしまいました。

これを解決するには、一刻も早く闘莉王をリベロに戻し、ポンテの後ろを本職の鈴木啓太と阿部勇樹にして、サイドを崩されても一人が最終ラインに行き、もう一人がボランチの位置に残る守備をするしかありません。今まで発覚しなかったのが不思議に思えるほど、柏には弱点を突かれました。

これは策の打ち合いこそサッカーだと思う私にとっては、完全な作戦負けで、柏のベンチワークをほめるしかありません。これで、浦和が次節も同じスタメンで来たら、ちょっと怒りますが。
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柏戦プレビュー

2008-06-27 21:15:00 | 浦和レッズ
明日は、欧州選手権に熱くなっていた私も、心の中では待ち望んでいた、浦和のリーグ再開初戦です。浦和の布陣は、ポンテのコンディション次第で変わると思います。もし、ポンテがトップ下に1枚で入ったら、浦和は相当ポンテのコンディションに自信を持っていると思いますし、梅崎とトップ下に2枚並べた3-6-1なら、多少不安があると予想します。

ただ、トップ下からのキラーパスは浦和が待ち望んでいたもので、ナビスコ杯の神戸戦で高橋峻希に出したようなパスが何回出るか楽しみができました。また、闘莉王をどこで使うかも楽しみの一つです。細貝が負傷でキャンプで別メニューだったことを考えると、ボランチ起用の可能性もあります。

また、山田は出場停止のようで、山田のボランチがない以上、闘莉王が現実的と思います。ただ、中盤に負傷明けのポンテと、戻りの遅い闘莉王がいると、カウンターを食ったときに鈴木啓太にかかる負担は大きくなります。守備は鈴木啓太次第になると思います。

対戦相手の柏は、4-5-1の布陣を引くチームで、運動量が多いです。浦和は3トップの相手を苦手にしていますから、柏が両サイドハーフを高い位置に張らせて3トップ気味にしてくると、浦和は右アウトサイドが予想される平川を最終ラインに入れて4バックにしなければならなくなるでしょう。

右アウトサイドが平川のときは、縦に速いスルーパスが出ると持ち味が出ますが、柏に3トップをやられると持ち味が消える恐れがあります。ただ、柏はフランサが復帰するという情報があります。もし、フランサが1トップに入ると、中盤に下がってくる癖があるフランサの特徴を考えると、4-6-0になってしまう可能性もあります。

もし、柏が4-6-0になれば、浦和の最終ラインは十分対応できる時間的余裕が生まれるでしょう。両チームとも、負傷明けの外国人選手の出来が鍵というチーム事情は似ています。浦和サポの私としては、ポンテがレバークーゼン(ドイツ)時代のチームメイトだったフランサより、良いコンディションに戻してくれることを期待しています。
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今季ブレイクの成長株(金崎夢生)

2008-06-26 20:48:22 | 他チーム
昨日は久々のJ再開ということで、前半はG大阪対京都、後半は鹿島対大分を見ました。どちらの試合も、格上チームが粘りを見せてしっかり1-0でものにするという試合でしたが、ほとんど流し見状態の私の印象に残った選手が一人いました。それは、大分のトップ下、金崎夢生選手です。

この選手は、全日本ユースを制した滝川第二高校の出身で、当時のプレーを埼スタで見たはずですが思い出せません。ただ、昨年入団した大分で1年目から試合に出ていたのは記憶にあります。トップ下のほかに、ボランチもこなせることもあって、いろいろな選手の代役で試合に出ていました。

ただ、今季の大分は、トップ下の梅崎が浦和に移籍して抜けていましたが、代役のトップ下候補として、G大阪から家長を獲得しています。金崎は背番号こそ25番から8番に昇格しましたが、決してポジションは約束されていませんでした。しかし、家長が練習中に靱帯断裂の重傷を負ったことで、金崎に出番が回ってきました。

正直、金崎のところは大分の弱点になる可能性もあると思っていました。しかし、開幕からスタメン出場した金崎は、予想を上回る大活躍でした。売り物は思い切り良く打つミドルシュートです。好機にパスを出してクリアされるようなFWもいるのに、MFながら自分が点を取るという意識を強く持っているのはいいことです。

また、昨日の鹿島戦で、新たなことがわかりました。それは高い個人技とスペースへの反応を合わせ持つことです。金崎は比較的大柄な選手ですが、ゴール前の細かいテクニックも持っていて、岩政や伊野波ら、ビッグネームが並ぶ鹿島守備陣に果敢に勝負を仕掛けていました。

決定的だったのは、後半終了間際に左サイドを抜け出してフリーになり、GK曽ケ端の肩口を抜きましたが、鹿島DFがカバーしてゴールはなりませんでした。しかし、五輪代表年代の金崎の活躍は、当然反町監督もチェックしているでしょうし、J2から香川が選ばれたくらいですから、岡田ジャパンもないとは言えません。

まだ、浦和対大分が未消化なので、金崎のプレーを見る機会はなかったですが、浦和は相当の警戒をしなければいけない相手でしょう。
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浦和の4バックの可能性

2008-06-25 21:28:15 | 浦和レッズ
ここまで、余りにもマニアックな欧州選手権ネタが続いたので、久々にレッズを話題にします。今日のネット記事で、浦和4バックに着手という記事があったので、4バックになると浦和は誰をどこに置くのがベストか、予想してみます。

まず、エンゲルス監督が今までなぜ4バックをやらなかった理由ですが、左SBの専門家がいないからです。三都主が代表で、相馬が東京Vで経験はありますが、彼らはあくまで攻撃の選手です。二人とも自陣のカバーという意味では不満があります。そのため、左SBに入れて安心して送り出せるのは、平川と阿部勇樹くらいです。

また、浦和が4バックを導入しにくいのは、ポンテの存在も理由です。何度かこのブログに書いたのでご存じの方もいらっしゃるでしょうが、ポンテはボランチができませんし、サイドハーフに使うのも走力に問題があります。そのため、4バックでポンテをスタメンで使おうとするなら、4-4-2の中盤ダイヤモンド型か、4-5-1にしてトップ下を置くしかありません。

4-5-1ではエジミウソンか高原をベンチに置かなければなりませんし、4-4-2の中盤ダイヤモンドは、長谷部のいない今では、サイドハーフに人材を欠きます。ただ、本来左MFがベストの三都主や相馬が上がり、どこでもできる山田暢が右MFに上がれば、鈴木啓太の1ボランチでできそうです。

それを考えると、GK都築、右SBに平川、CBに堀之内、闘莉王、左SBに阿部勇樹、1ボランチに鈴木啓太、右MFに山田、左MFに三都主または相馬、トップ下にポンテ、2トップにエジミウソンと高原を置けば、物理的には可能です。ただ、これはポンテがベストコンディションに戻っていればという前提があります。

もし、ポンテが100%の動きができないなら、4バックはやめて3-6-1で梅崎と2枚トップ下に並べるしかありません。柏は活発に動くチームですから、トップ下のポンテがある程度守備をしてくれないと、ボランチに自由にボールを持たれて柏が得意なサイド攻撃を出されてしまいます。少なくとも柏戦では、4バックはおそらくないというのが、私の予想です。
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奇跡の立役者(ニハト・カフヴェジ)

2008-06-24 20:45:07 | ワールドサッカー
欧州選手権で、奇跡的な勝ち方でドラマを巻き起こしているのは、トルコ代表です。ただ、トルコの主力選手は一番最近に国際大会で活躍した2002年W杯のときからは、ほとんど入れ替わっています。そんなトルコの中で、唯一プレースタイルがイメージできるのは、FWのニハト・カフヴェジです。

なぜわかるかというと、NHK-BSがスペインリーグの放映権を持っていた当時、地方チームのソシエダを2位にまで躍進させたからです。ニハトのイメージは、Jリーガーで言えば田中達也が一番近いです。小柄な体で、DFラインの裏に出たボールを持ち前の俊足で追うプレースタイルと、落ち着いてシュートを打てるところが、田中達也をイメージさせました。

ニハトが当時2トップを組んでいたのは、セルビア代表の長身FWコバチェビッチでした。コバチェビッチが頭で落としてニハトが決めるのは、当時のソシエダの必勝パターンでした。

しかし、ニハトは代表ではこれまでは散々苦い思いを味わっていました。2002年W杯は控えだったニハトは、2004年の欧州選手権を目指す予選で、初めて代表のFWのポジションを得ました。しかし、その予選はグループ2位でプレーオフに回り、ホームアンドアウェーの戦いで格下のラトビアにまさかの敗戦を喫しています。

トルコは2006年ドイツW杯予選でリベンジを目論みましたが、デンマーク、ギリシャ、ウクライナと同じ、死の組に入れられました。それでもトルコは奮闘を見せ、このグループで2位に入ったのですが、またしてもプレーオフに回り、スイスに敗れています。

出場権を目前にしたプレーオフで二度も敗れたのは、リーグで敗退が決まるよりよっぽどこたえたはずです。しかし、ニハトはついに今回の欧州選手権に出てきました。その戦いも順調ではありませんでした。初戦でポルトガルに敗れたトルコは、何とかスイスに勝って最終戦に望みをつなぎますが、その最終戦でチェコに2点をリードされます。

しかし、1点返したあとの残り5分、ニハトはGKチェフの落球という千載一遇のチャンスを決めて、さらに決勝点も決めました。一気にトルコの国民的英雄になったことでしょう。しかし、そのニハトはクロアチア戦で負傷して、準決勝のドイツ戦には出られません。もったいないとも思いますが、トルコをここまで引っ張ってきたのは間違いなくニハトでしょう。本当に残念です。
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後ろへのスピード(6/22日本対バーレーン)

2008-06-23 20:20:42 | ワールドサッカー
岡田監督がプレッシングサッカーをやろうとしているのは、日本を強くするには走るしかないと公言した、オシム前監督と考え方は似ていると思います。しかし、千葉のときに敵将としてのオシムを見たときに、そのプレッシングサッカーには一つのノウハウがあると感じていました。

それは、プレッシングサッカーを標榜するチームはたくさんありますが、それは前に速いサッカーだけで終わっているイケイケサッカーのチームもありました。しかし、オシムサッカーの神髄は、後ろにも速いことです。当時の千葉は、中盤でミスをすることもあるチームでした。

しかし、オシムサッカーは、ミスは起こり得るものという意識が全員に浸透していました。浦和が千葉のミスでチャンスをつかんでも、そう簡単には得点されない粘りがありました。それを考えると、バーレーン戦の岡田監督のサッカーは、後ろへの速さという意味では不満でした。

マスコミには二軍メンバーと書かれていたバーレーンですが、このメンバーでも普段引いていて、肝心なときだけカウンターで攻めるという意志は浸透していましたし、タイやオマーンより精度の高いカウンターができていました。そのため、こういう状況になると岡田サッカーの後ろへの速さが試されましたし、バーレーンにチャンスを与えたという意味では、戻りきれない印象を受けました。

ただ、この日の日本のスタメンには、後ろに強いタイプのボランチはいませんでした。バーレーンを圧倒して攻め切るサッカーをしようとした意志は明確で、慎重に戦うなら今野や鈴木啓太のスタメンでしょう。そのため、このサッカーは、相手に先制点を入れられ、追わなければいけない場面を想定したものだと思います。

そういう意味では、内田の後半44分の偶然の得点で1点止まりだった攻撃陣にも不満が残ります。しかし、最後まで引き分けで良いと思っていた選手は一人もいませんでした。ベンチの岡田監督も、闘莉王を前線に上げたパワープレーを指示したことで、勝つんだという意志をアピールしました。

そんな気持ちがあったから勝てたと言えるでしょう。最終予選になれば、こんな場面は何度かあるかもしれませんが、この日の気持ちを忘れずに戦って欲しいです。
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走るロシア(6/21オランダ対ロシア)

2008-06-22 18:07:27 | ワールドサッカー
今回、ヒディンク監督率いるロシアが欧州選手権で4強入りしたことで、再びヒディンクマジックと言われています。ただ、ヒディンクがこれまで成功したオランダ、韓国、豪州とは多少アプローチの仕方が変わっています。それは、豪州のように高さとパワーのサッカーを使わず、サイドアタックを中心としたチームを作ったことです。

本来、日程的にはオランダが中3日、ロシアが中2日と、疲労度ではロシアの方が不利ですし、しかもオランダは予選リーグの最終戦が消化試合ですから、主力を温存できています。そのため、試合前はオランダがボールを支配する展開を予想していました。しかし、ロシアは早めのチェックで中盤でボールを奪い、素早くサイドにはたくサッカーで、むしろ試合を優位に運びました。

正直、私はロシアには欧州トップレベルのリーグにいる選手は少ないので、大会前はさほど評価していませんでした。しかし、ロシアには一つ大きな追い風がありました。それは今季のUEFA杯で、ロシアの「ゼニト・サンクトペテルブルグ」(以下ゼニト)が優勝したことです。

UEFA杯は地上波では流されませんから、どんなサッカーをしていたかは知りませんが、それでも準決勝でオリバー・カーンが守る大本命バイエルンのゴールを破ったことは評価に値します。今回のロシア代表にはゼニトの選手はFWのアルシャビンがいました。このアルシャビンはスピードとテクニックを備えたアタッカーで、うまく周りが使ってやれれば生きる選手に見えました。

そのアルシャビンのテクニックは、両者とも疲労の極限状態にあった、延長後半で発揮されました。1-1からの勝ち越しゴールは、ハーフウェーライン付近からのアルシャビンのドリブルに、7番の選手が飛び込んで決まりました。さらに、3点目はアルシャビンは名手ファン・デル・サールの股抜きを狙ってシュートを打つという、大胆なことを実行し、成功させています。

その要因として、マスコミで言われているのは、「走るロシア」というなかなか落ちない運動量でした。確かに、延長戦に入ると、先に足が止まったのはオランダの方でした。個人技勝負の展開になれば、勝負は五分とみたのでしょう。監督はチームによって、強化の手法を変えることがありますが、今回のヒディンクマジックは「走ること」でした。実に地味なマジックです。
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