Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

ヘグモ前監督の記憶

2024-12-23 20:15:39 | 浦和レッズ
これから、2月のシーズン開幕までは記憶で書けるオフネタが中心になってきます。1回目は浦和レッズを今季途中まで率いていた、ペア・マティアス・ヘグモ氏の記憶です。ヘグモ氏はノルウェーではカリスマ指導者で知られており、2000年シドニー五輪でノルウェー女子代表を金メダルに導き、ノルウェーの男子代表監督の経験もあります。同じノルウェー人のホイブラーテンもヘグモ氏のことは知っていました。

また、年齢的には64歳とベテラン監督ですが、直前のシーズンでスウェーデンリーグのBKヘッケンを優勝させており、上り坂の監督のように思えました。ヘッケンで一緒だった、スウェーデン代表MFグスタフソンが一緒に浦和レッズに加入するなど、フロントのバックアップも得ました。今季開幕時点では優勝候補筆頭に推したマスコミもありました。

ヘグモ氏の戦術はアンカーを置く4-3-3でした。そのアンカーにチームのキーマンのグスタフソンを置いて、そこからのパスで両ウイングを走らせるサッカーは、浦和に新たな攻撃サッカーが導入されるのではという希望がありました。しかし、シーズンが始まると、相手チームが立てた浦和対策をなかなか打ち破ることができない悪循環に陥ります。

まず、グスタフソンにゲームを作らせまいと、相手FWはグスタフソンへのパスコースを消す守備をしてきました。また、左SBに抜擢された新加入の渡邉凌磨は、もともと攻撃的MFの選手ということもあって、相手に狙われるようになります。浦和は自陣でうまくボールを回すことができず、ショルツとホイブラーテンでパス交換する姿を見ると「これのどこが攻撃サッカーなんだ」と思いたくなります。

また、浦和のバランスの悪さを最後のところで何とかしていた、ショルツのカタールリーグへの移籍が、ヘグモ氏にとって致命傷になります。もちろん、ショルツ退団を想定して、控えの井上や佐藤を時折起用していましたが、正直言えばショルツとはレベルが違い、相棒のホイブラーテンもパス出しが苦手という弱点が表に出てくるようになります。

最後は4-3-3を諦めて、4-2-3-1へ布陣を変更し、安居をアンカー気味で起用するようにしましたが、なかなかチーム状態は上がらず、前監督のスコルジャを呼び戻してヘグモ監督は解任されることになりました。2年契約のヘグモ監督に、1年半分の年俸をただで取られてしまう損失ではありますが、そうでもしないと残留争いに巻き込まれるという危機感がフロントにあったのでしょう。相手に対策を立てられるとそれを打ち破れなかったという印象が、ヘグモ監督といえば残っています。
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武田英寿、J2仙台完全移籍

2024-12-18 21:27:07 | 浦和レッズ
今日の浦和レッズ関連では、一つ残念なニュースが入ってきました。写真の浦和MF武田英寿選手の、J2ベガルタ仙台への完全移籍が発表になっていました。今季、期限付き移籍していたJ2水戸から復帰し、リーグ戦の鹿島戦では敗色濃厚な試合を見事な2得点で引き分けに持ち込むなど、これからの選手という印象があったので残念ですが、スコルジャ監督があまり起用しなかったので他チームで勝負したい気持ちもあったでしょう。

武田英寿の名前の「英寿」はもちろん元日本代表MF中田英寿さんが由来です。武田の生まれた2001年はちょうど、中田英寿さんがセリエAのローマやパルマで活躍していた頃で、父親が中田英寿さんのファンだったと聞きます。青森山田高校で10番を背負い、全国高校選手権で2年連続決勝進出とチームとしても結果を出して浦和入りします。

もっとも、浦和のトップチームの壁は厚く、2020年の終盤で大槻監督がトップ下に抜擢した試合もあったものの、まだ体力的にトップチームのサッカーを90分戦い切れない印象はありました。そのため、武田は琉球、大宮、水戸と育成型期限付き移籍で転々とします。育成型期限付き移籍は一見育ててもらうようなイメージに見えますが、期限付き移籍したチームで試合に出られないと契約を切られる厳しい道でもあります。

武田は、この武者修行先で、多くの試合に出場して中心選手になりました。J2ならば十分中心選手という力を付けたところでの浦和への復帰は、ちょうど良いタイミングのように見えました。しかし、今季の浦和を率いたヘグモ監督はトップ下を置かない4-3-3が基本戦術でした。武田の最も得意なポジションはトップ下なので、彼にとっては逆風でした。

しかし、途中出場でサイドハーフに入った鹿島戦が、彼にとって千載一遇の好機になりました。彼の強みに、シュートレンジが長いという武器があり、エリア外から放ったシュートで1点を返すと、直接FKを直接決める2点目のゴールで、この2点ビハインドを追いついて引き分けに持ち込みました。結果は引き分けだったものの、サポーターはほとんど帰らず、このヒーローを「武田」コールで出迎えました。

成功できるかに思えましたが、浦和の監督がスコルジャ監督に替わってから出場機会が激減します。来季もスコルジャ監督が続投する以上、他チームで勝負したいという判断もやむを得ないでしょう。完全移籍なので浦和に戻ってくることはほぼないですが、この鹿島戦での活躍は、彼の名を目にする度に思い出すことでしょう。
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今季最も成長した選手(松尾佑介)

2024-12-16 21:22:44 | 浦和レッズ
今季の浦和は、ノルウェーでカリスマ指導者で知られているヘグモ監督を呼んで3トップの攻撃サッカーに挑戦するシーズンのはずでした。しかし、左SBで起用した渡邉凌磨や、アンカーのグスタフソンのところを相手に狙われるとなかなか対策を立てきれず、ヘグモ監督は途中で解任されるという迷走のシーズンになってしまいました。しかし、左ウイングというポジションに定着した、写真の松尾佑介選手の活躍は数少ない希望でした。

松尾は一昨年浦和からベルギーリーグに移籍しており、今季は2年ぶりの復帰になりました。横浜FC時代はウイングでしたが、浦和ではロドリゲス監督が負傷がちのユンカーに替わる1トップで起用したところ機能し、ベルギーリーグからのオファーとなりました。しかし、1年で復帰したことで、精神的に落ちていなければいいがと多少懸念していました。

また、左ウイングのポジションには、現役ノルウェー代表のソルバッケンも補強されていました。松尾にとっては簡単なシーズンではなかったですが、3トップの左という位置が彼に合っていたのは幸運でした。松尾は瞬間的なスピードがあるので、相手右SBとの1対1に勝てるという強みを、今季はよく発揮できた年になりました。

ソルバッケンのコンディションが上がらなかったことで、左ウイングのファーストチョイスは松尾という状況は、今シーズンほぼ続きました。数字だけ見ると22試合出場4得点と、それほど目立つ数字ではないですが、彼がスピードを見せると埼玉スタジアムが沸くという意味では、最も楽しませてくれた選手でした。

長い距離を走ってもある程度速いので、カウンター狙いでも機能できるウイングでもあります。途中から就任したスコルジャ監督が4-2-3-1を導入し、彼のポジションは左MFに移されますが、ジュニアユース、ユースと浦和で育った才能が、大きく開花したシーズンになりました。彼のスピードは、来季浦和が飛躍するためには必要な武器でしょう。

スコルジャ監督が来季続投する浦和で、もちろん左MF候補のトップでしょう。松尾はユースからはトップチームに一旦は上がれず、仙台大、横浜FCを経由した回り道をしましたが、こういう復活劇があるから、サッカーは面白いものですね。
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エカニット・パンヤ、契約満了で退団

2024-12-12 21:25:23 | 浦和レッズ
浦和関連では、写真のタイ代表MFエカニット・パンヤ選手の契約満了での退団も発表されていました。彼は夏の移籍市場で浦和に加入した、浦和史上初の東南アジアの選手でした。東南アジアのサッカーは今はそれほど強くないとはいえ、高さとパワーにこそ劣るものの足元の技術が高い選手は多く出しており、浦和ではトップ下やサイドハーフでの期待でした。

事実、タイ代表にも安定して招集されており、前所属のムアントンは浦和レッズがACLの1次リーグで対戦したこともあり、決して弱いチームではありません。彼が浦和で成功することができれば、札幌で活躍したタイ代表MFチャナティップのように、タイからJリーグへ移籍する流れができるようになる可能性も秘めていました。

味方になってプレーを観察すると、確かに足元の技術は高いものを持っていました。スコルジャ監督が緊急時にはボランチで起用したこともあり、安定してさばける技術は持っていました。もっとも、彼は外国人枠の選手ということもあって、どうしても要求水準は日本人選手より厳しくなってしまいます。外国人枠の選手として見てしまうと、何かこれといってずば抜けた武器があまりないことに気付きました。

今年7月の駒場での湘南戦で、彼に左MFでスタメン出場したチャンスがありました。しかし、サイドを仕掛けて欲しい期待とは裏腹に、低い位置でボールを持つとすぐにバックパスをするなど積極性に欠けるところもあって、前半限りでベンチに下げられることになります。これでは、外国人枠の選手としてはどうなんだという判断になっても仕方ないでしょう。

もっとも、浦和を退団しても、まだ年齢的には若く、タイに帰国しても取ってくれるチームはあるでしょう。いつか、タイ代表として来日して、大きな武器を身に着けたと我々浦和サポに見せてくれるよう、彼の新天地でのリベンジを期待したいものです。
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ブライアン・リンセン、契約満了で退団

2024-12-11 20:35:20 | 浦和レッズ
浦和レッズはFWブライアン・リンセン選手と今季で切れる契約を更新せず、退団することになりました。リンセンは2022年の夏の移籍市場で、オランダリーグ1部のフェイエノールトから完全移籍で加入してきました。当時、直前のシーズンでオランダリーグ1部で13得点を挙げていたので、J1ならレベルの違いを見せてくれるのではと期待していました。

しかし、加入直後の親善試合PSG戦が、彼の苦戦を象徴することになりました。後半頭から投入されたリンセンは、右サイドから強烈なシュートを一本放って期待させたものの、その直後のスライディングに行ったプレーで足を痛め、わずか8分でピッチを去ることになります。結果的に、このシーズンはほとんど出場できなかったので、このPSG戦に行ったサポだけがリンセンを知っているという「幻の選手」になる可能性もありました。

リンセンは契約が残っていたため、翌2023年シーズンも浦和でプレーしました。しかし、ここでも苦戦することになります。開幕戦、2戦目とスコルジャ監督に起用されたものの、無得点と結果を出すことができず、興梠にスタメンを奪われることになります。リンセンは170cmと上背がないので、アーリークロスを放り込んでも合わない選手でもありました。

それならばスピードがあるのかと観察しても、J1レベルで圧倒的というほどのスピードではなかったです。そんな選手が、なぜオランダリーグ1部で結果を出せたのかと要因を探ってみると、相手DFにフィジカルで競り勝って、ちょっとだけ前に出たタイミングが彼にとって唯一と言えるチャンスという選手でした。

リンセンとオランダリーグ1部で対戦した町田DF中山雄太によると、「リンセンとの競り合いで前歯を2本折られた」と、そのフィジカルバトルに勝つことが彼の生命線だったと推測できます。しかし、Jリーグではそういうプレーはファウルを取られてしまうので、いつも審判の判定に苛立って抗議していた姿が、リンセンといえば思い出されてしまいます。

34歳という年齢もありますが、退団後は母国オランダでプレーしたいようです。年齢的に1部下位か2部でのプレーになりそうですが、浦和でもその運動量は落ちていなかったので、まだやれそうです。日本での思い出が良いものであって欲しいと、願わずにはいられません。
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興梠慎三、現役引退

2024-12-09 20:23:14 | 浦和レッズ
昨日の新潟戦は、浦和FW興梠慎三選手の現役ラストマッチでした。残念ながら彼自身の得点はなかったですが、中盤に降りてからボールをキープしてさばく彼の持ち味は発揮されており、チャンスにつながりそうなパスも出してくれました。興梠は2013年に鹿島との契約が切れたタイミングで数チーム争奪戦になり、当時1トップが課題のポジションだった浦和に完全移籍で加入してきました。

彼の技術で、サッカー少年に真似して欲しいのはそのトラップです。メッシや久保建英のようにどんなボールでも正確に足元に止めるほどではないですが、彼のトラップは周りをよく観察して相手のいない方向にトラップすることがよく考えられています。メッシや久保建英は無理でも、この技術ならサッカー少年も真似できる可能性があるのではと思います。

興梠は2013年から、当たり前のようにミシャサッカーの1トップで起用されましたが、開幕から6試合無得点が続き彼の起用には議論が出たこともあります。もっとも、興梠自身のコメントで、この年で最も印象的なゴールを聞かれたときに、興梠のパスを宇賀神が決めた得点を挙げていました。それだけ、MF的に味方に点を取らせることも大事なFWの役割と考えている選手です。

興梠の記録はいろいろあります。ACL日本人最多得点、浦和の最多得点、J1リーグ史上2位の得点数、9年連続二桁得点などです。もっとも、彼自身は点を取ることもチームプレーの一つと考えており、「自分は(個人技で持っていくFWではなく)、みんなでつないだボールを最後に決めるFWです。」とインタビューで話していたこともあります。海外にはエゴイストも多いストライカーというポジションですが、こういう性格は日本向きです。

また、興梠が長くポジションを守れた要因に、自ら動いてボールを受けられたこともあります。2014年、大宮からFWズラタンを補強されたときが興梠にとっては一つの試練でした。しかし、ズラタンがボールを待って受けるタイプだったこともあって、そこをカットされるプレーが出るようになります。興梠は動きながら引いてボールを要求したことで、このポジション争いは興梠優位に進むことになります。

引退セレモニーでは、異例の天皇杯名古屋戦でのサポーター乱入事件に言及するなど、彼でなければ言えなかったことでしょう。一番印象的なのは、長く浦和の最多得点記録を持っていた、福田正博氏の91点が破られたことです。彼の実兄が経営するチキンのお店が繁盛するなど、いろいろと話題を提供してくれたFWでもありました。
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保持率は高かったが(12/8浦和対新潟)

2024-12-08 20:56:54 | 浦和レッズ
今日の浦和レッズのホーム新潟戦は、0-0の引き分けに終わりました。この日は浦和にとっては消化試合ですが、相手の新潟が降格圏18位の磐田に対して勝ち点差3で、引き分け以上で残留決定という難しい状況の試合でした。もちろん、最初は両チームともに勝つつもりで試合に入るでしょうが、新潟は同点のまま終盤に差し掛かれば引き分けの勝ち点1を狙いに来る試合でしょう。

そんな試合は、浦和が今季限りで引退を表明しているFW興梠慎三を1トップで先発出場させて始まりました。もちろん、浦和にとっては何もかかっていない試合なので、功労者の興梠のスタメンに異議はないですが、興梠というFWが中盤に降りてボールをキープして球回しを良くするタイプのFWなので、彼の1トップを機能させるためにはトップ下の渡邉凌磨などが追い越してFWの位置に上がらないといけなかったでしょう。

ゲームは浦和が若干優位に進みました。この日の浦和で良かったのは高い位置からの回収でした。新潟は写真の松橋監督が導入した、DFラインからつないで攻めるポゼッションサッカーを旗印にしているチームなので、浦和としてはその球回しを高い位置で回収することができれば、チャンスは作れることは浦和のスコルジャ監督も話していました。

新潟の攻めを、ボランチのグスタフソンや安居のところで回収できていたので、前半の新潟のシュート数は0本と浦和としては狙い通りに試合を運べたように見えます。それでも、右MFで先発出場した前田直輝がドリブルで相手を抜きに行ったボールタッチがミスになってゴールラインを割るなど、攻撃に関してはちぐはぐなところが見られた試合になりました。

興梠は60分まで出場し、ベンチスタートだった今季限りで浦和を退団するリンセンと交代します。グスタフソンを下げて渡邉凌磨をボランチに回し、トップ下で小泉佳穂を起用するような試みもしましたが、新潟も0-0のまま終盤まで来るのはある程度狙い通りだったこともあってあまり無理をせず、FWの2枚だけで攻め切る選択をしました。

その新潟のFW2枚に決定機を作られるなど、危ない場面も何度もあった浦和ですが、何とか引き分けて勝ち点1を確保しました。もちろん、J1で13位の浦和が、来年6月に予定されているクラブW杯でリバープレート(アルゼンチン)やインテル(イタリア)などとどうやって戦うんだと、これからの課題は山積ですが、選手だけでなくサポーターの自分も、ちょっと休みの時期も欲しいかなと思い始めたタイミングなので、少しワールドサッカーなどを見て気分を変えたいです。
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宇賀神友弥、現役引退

2024-12-08 19:45:11 | 浦和レッズ
今日のホーム最終戦、新潟戦は体調不良のため自宅でテレビ観戦でした。それでも、DAZNでは試合後の引退セレモニーまで放送してくれたので、写真の宇賀神友弥選手の引退セレモニーの様子は見ることができました。宇賀神はジュニアユース、ユースと浦和の下部組織でプレーしていましたが、ユース卒業時にトップチームに上がれず、流通経済大学を経由する回り道をしています。

しかも、流通経済大学時代も1年生から順調とは行かず、三軍チームである「クラブ・ドラゴンズ」に所属したこともあり、1年生からレギュラーだった1年後輩の武藤雄樹をスタンドから応援していたこともあります。そんな宇賀神ですが、4年生のときにようやくトップチームで抜きん出た存在になり、天皇杯のガンバ大阪戦である程度通用したことで「J1でもやれる」と確信して浦和レッズのトップチームに入団してきました。

1年目のフィンケ監督時代には、左サイドの攻撃的な位置で起用されて活躍した宇賀神ですが、2年目のゼリコ・ペトロヴィッチ監督時代に左SBで出場したときに頭上を抜かれるミスをして、「DFではない」という評価になってベンチスタートが多くなる挫折を味わいます。そんな宇賀神が36歳の今までプレーできた要因に、3バックの左アウトサイドには最適な選手だったことが考えられます。

長く続いたミシャ時代、浦和の布陣はほとんど3-4-2-1で固定でした。この頃、宇賀神自身も努力して体力レベルを上げたことで、時にはFWのラインまで行くこともあるミシャのアウトサイドへの要求をクリアできるようになります。もちろん、浦和というチームは選手間競争にはシビアなので、順調に思われたミシャ時代にも梅崎や関口などライバルが多く在籍しましたが、ミシャがどちらかと言えば体力のあるアウトサイドが好みだったことも追い風になりました。

また、宇賀神は左右どちらのサイドでもこなせる強みがありました。もともと利き足は右なので、右SBで起用してもそれなりにプレーできたことが、彼の長い現役生活を支えていました。一度浦和を戦力外になり、J3の岐阜で2年間プレーしていましたが、今季荻原、明本とSB候補が次々と流出したことで宇賀神に復帰のオファーが来ることになりました。

今季は2試合出場と、トップチームの戦力になったとは言い難い結果だったことも引退の決断の理由でしょう。引退後は本人の口から「浦和レッズのGMになりたい」と抱負を明確に語ってくれました。一足先にGMになった先輩堀之内聖さんからも学ぶこともあるでしょう。まずは裏方からスタートして、その夢が実現するように願うばかりです。
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ミスから崩れた浦和(11/30福岡対浦和)

2024-12-01 21:21:04 | 浦和レッズ
昨日の浦和レッズのアウェイ福岡戦は、0-1で浦和の敗戦に終わりました。既にリーグ戦ではJ1残留こそ決めたものの特に目標がない状態の浦和は、スコルジャ監督が普段ベンチが続くメンバーに出番を与えようと、思い切ってメンバーを入れ替えました。GK牲川、DF佐藤、MF前田直輝、FWチアゴ・サンタナなどは、ベンチ入りはできてもなかなかスタメンのチャンスがないので、この試合はチャンスだという思いはあったでしょう。

実際、このゲームはメンバーを落としたことが敗因ではなかったです。出番が少ない小泉佳穂あたりは、運動量の多さを見せて、福岡のカウンターを戻って止めるなど良い動きは見せていました。福岡というチームが、もともと3バックで自陣にブロックを作って、少ないチャンスで得た最少得点を守り切ることでJ1中位につけているというチームなので、ボールを持つのは浦和という展開が前半の途中まで続きました。

サイドに出してからクロスというところまでは行けていたので、そこから精度の高いクロスが入ればチアゴ・サンタナの頭で1点取れる期待をしていましたが、このゲームが浦和の形勢不利になったのは、一つのミスからでした。GK牲川からのパスを受けたCB佐藤が、つなげば問題ない状況だったにもかかわらず無理に相手FWを抜きに行ったようで、そこを奪われてからのパスで福岡FW紺野のシュートを浴びたあたりからおかしくなってきました。

そこから、数分間相手CKが続くなど形勢不利だった浦和ですが、その時間を耐え抜くことができず、CKの流れから紺野にミドルシュートを決められて0-1とリードされます。この試合は浦和はベンチメンバーも入れ替えており、今季限りで引退を表明している興梠がベンチに入っているなど、途中から流れを変えにくいメンバー構成だったことも響くようになってきます。

また、後半福岡がザヘディやベンカリファなど、前3人をいっぺんに交代させてきたことも、この試合の流れを変えました。それまではつなぎながら同点ゴールを狙いに行っていた浦和が、この交代以降、パスを相手に取られる場面が目立つようになってきます。浦和も興梠や二田などを投入してきますが、一人一人は奮闘しても、それがチームとしてかみ合っていないことが、最終的には敗戦の要因になります。

この試合は来期以降に向けてのテストという意味合いもあったので、この試合を負けたことはある程度仕方ないところもありますが、それでもこのアピールチャンスを生かせなかったことは選手としては重くのしかかるかもしれません。あと1試合、新潟戦が残る浦和ですが、ちょっと嫌な流れだなと、雰囲気はどうかという思いもあります。





















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采配が難しい試合(11/22浦和対川崎再試合)

2024-11-24 22:06:13 | 浦和レッズ
金曜日の浦和レッズのホーム川崎戦再試合は、既に8月に行われた前半の1-0浦和リードから再開しました。もっとも、この再試合は両チームとも戦い方が難しいというのは試合に表れていました。理由は、スタメンがこの日に調子が良い悪いでなく、8月当時に出ていた選手で編成せざるを得なかったためです。もちろん、全員当時のスタメンというのは負傷などもあって無理だったので、浦和も川崎も1枚交代枠を使ったという扱いにして、浦和は大久保out松尾inというスタメンにしてきました。

そういう意味では、両チームともどこかに弱点を抱えているので、それを先に見抜いたチームが優位に立てる試合です。先に見抜いたのは川崎でした。浦和の右MF関根があまりコンディションが良くない様子だったので、左SBの三浦を何度も攻撃参加させると、比較的容易に関根を振り切れました。川崎は序盤からCKを何度も取り、CKのこぼれ球を三浦が拾って入れた浮き球を、小林悠が頭で合わせて「同点」ゴールを得ました。

このままでは逆転されて敗れてしまうと危機感が出た浦和は、試合序盤ではどこが攻撃で使えるかつかみかねている様子でした。しかし、試合が進んでくるとグスタフソンが4-3-3の相手MFの間にうまくポジションを取ってボールを引き出せるようになってきます。川崎サイドも采配の難しさは交代策に表れており、開始10分で大島を交代させたのは、本来はベンチに置いた河原をスタメンのボランチで起用したかった意図が表れていました。

浦和で良かったのは松尾でした。このスピード型アタッカーが左サイドで仕掛ける動きに、川崎サイドはCB2枚が佐々木旭、車屋と本来SBの選手という弱みを突ければと期待しました。実際、右サイドからのパスを中央で受けた松尾に決定的なシュートもありましたが、これは惜しくもポストを叩きノーゴールと、運も浦和には味方してくれませんでした。

浦和のスコルジャ監督も、関根の守備に関しては対策を講じており、右MFに運動量の多い渡邉凌磨を回して守備面で三浦対策を打ってきました。また、リンセンを下げてチアゴ・サンタナを投入して、ここぞの場面でのゴールを期待した采配も打ちます。この采配で多少ゲームが落ち着いた印象はありましたが、45分のゲームというのは予想以上に短く感じ、点を取るまでの時間がなかった印象はあります。

この試合は、浦和は8月の渡邉凌磨のゴール、川崎がこの日の小林悠のゴールで、1-1の引き分けに終わりました。1点貯金があったから勝って欲しかったという思いはもちろんありましたが、両チームともやりにくい試合だというのが強く感じられました。前回が雷雨中止だったので仕方なかったとはいえ、こういう試合はあまりあって欲しくないなという思いが正直なところです。





























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