散歩の途中で、家庭菜園のトウモロコシを見つけました。夏はトウモロコシの季節で、私が好きなのを知っている祖母がよく茹でてくれたのを思い出します。去年の今頃は病院で痛がっていた祖母を見ていましたが、そんな祖母ももうすぐ一周忌です。早いものです。
今日は浦和のナビスコ杯ですが、埼玉スタジアムに行くので、翌日が仕事の日の即日更新は例によって勘弁していただきます。穴埋めネタで、W杯アジア最終予選の最終戦、韓国対イランを取り上げます。
韓国は今までカタール戦、ウズベキスタン戦を見たイメージと大体同じで、196cmのFWキム・シンウク(18番)のポストプレーが頼りのチームです。この「電柱」は機能するときとしないときがあり、勝たなければいけないW杯予選でこういうパワーサッカーに頼っていいのかという議論は、おそらく韓国国内ではあると思います。
この試合では、韓国はFWにベテランの李東国(20番)を入れて2トップで戦っており、李東国もパワー系FWということでキム・シンウクが駄目でも李東国がいるという保険を掛けた采配だと思います。また、プレミアリーグ、ボルトンのMF李青龍はベンチスタートで、ドイツのハンブルガーSVで12点を取っているソン・フンミン(9番)をMFで起用してきました。
韓国は現役Jリーガーや元Jリーガーが多く在籍するチームで、右SBキム・チャンス(15番、柏)、CB金英権(22番、元FC東京)、ボランチのチャン・ヒョンス(2番、FC東京)に途中出場のFWイ・グノ(11番、元G大阪)、キム・ボギョン(7番、元C大阪)と、そういえばいたなと思い出す名前ばかりです。
Jリーグがアジア枠を導入したときに、韓国人が大量に流れ込み、「Jリーグは韓国代表を育てているようなもの」と言われましたが、ここまでたくさんいるとその通りになったと言わざるを得ません。
対するイラン代表は、ダエイやアジジがいた90年代はパワーもスピードもありましたが、今のイラン代表はカウンターサッカーのチームです。この試合は1-0でイランが勝ちましたが、シュート数は韓国14本に対し、イランはわずか1本と試合の内容では大差がありました。
しかし、それでも勝ってしまえるところはサッカー強国イランの奥の深さで、たった一回の縦パスでグーラルネジャド(16番)を走らせたチャンスに、DF金英権がトラップミスした絶好機を確実に決めたイランはリードしました。イランといえば、1998年フランスW杯予選で、負傷を装って時間稼ぎをしたGK、アベドザデーを思い出しますが、今のGKもその伝統?は受け継がれています。
もっとも、このGKはセットプレーからの韓国の絶好機(金英権のボレー)をファインセーブで防いでおり、こういうカウンターサッカーを機能させるには守備の充実は不可欠なところを存分に発揮しました。韓国は試合には敗れましたが、ウズベキスタンを辛くも得失点差1点でかわしてW杯出場を決めました。
クリリンさん情報では、この敗戦で観客は激怒したらしいですが、映像は残念ながらすぐにウズベキスタンに切り替わってしまい、その荒れ具合は映像ではわかりませんでした。そういう情報は現地にいたからこそなので、本当にありがたい情報だと思います。
韓国は今までカタール戦、ウズベキスタン戦を見たイメージと大体同じで、196cmのFWキム・シンウク(18番)のポストプレーが頼りのチームです。この「電柱」は機能するときとしないときがあり、勝たなければいけないW杯予選でこういうパワーサッカーに頼っていいのかという議論は、おそらく韓国国内ではあると思います。
この試合では、韓国はFWにベテランの李東国(20番)を入れて2トップで戦っており、李東国もパワー系FWということでキム・シンウクが駄目でも李東国がいるという保険を掛けた采配だと思います。また、プレミアリーグ、ボルトンのMF李青龍はベンチスタートで、ドイツのハンブルガーSVで12点を取っているソン・フンミン(9番)をMFで起用してきました。
韓国は現役Jリーガーや元Jリーガーが多く在籍するチームで、右SBキム・チャンス(15番、柏)、CB金英権(22番、元FC東京)、ボランチのチャン・ヒョンス(2番、FC東京)に途中出場のFWイ・グノ(11番、元G大阪)、キム・ボギョン(7番、元C大阪)と、そういえばいたなと思い出す名前ばかりです。
Jリーグがアジア枠を導入したときに、韓国人が大量に流れ込み、「Jリーグは韓国代表を育てているようなもの」と言われましたが、ここまでたくさんいるとその通りになったと言わざるを得ません。
対するイラン代表は、ダエイやアジジがいた90年代はパワーもスピードもありましたが、今のイラン代表はカウンターサッカーのチームです。この試合は1-0でイランが勝ちましたが、シュート数は韓国14本に対し、イランはわずか1本と試合の内容では大差がありました。
しかし、それでも勝ってしまえるところはサッカー強国イランの奥の深さで、たった一回の縦パスでグーラルネジャド(16番)を走らせたチャンスに、DF金英権がトラップミスした絶好機を確実に決めたイランはリードしました。イランといえば、1998年フランスW杯予選で、負傷を装って時間稼ぎをしたGK、アベドザデーを思い出しますが、今のGKもその伝統?は受け継がれています。
もっとも、このGKはセットプレーからの韓国の絶好機(金英権のボレー)をファインセーブで防いでおり、こういうカウンターサッカーを機能させるには守備の充実は不可欠なところを存分に発揮しました。韓国は試合には敗れましたが、ウズベキスタンを辛くも得失点差1点でかわしてW杯出場を決めました。
クリリンさん情報では、この敗戦で観客は激怒したらしいですが、映像は残念ながらすぐにウズベキスタンに切り替わってしまい、その荒れ具合は映像ではわかりませんでした。そういう情報は現地にいたからこそなので、本当にありがたい情報だと思います。
今日は時間があったので、また写真で示す森の中へ行ってみました。ネタはコンフェデからで、ブラジル対ウルグアイの準決勝を取り上げます。
ブラジルは相手によって戦い方を変えるチームではなく、どんなチームにも基本的には同じ戦い方を貫くチームですが、ウルグアイがどう出るかは注目でした。南米の10ヶ国は19世紀に戦争を仕掛け合った間柄なので、お互いは仲が悪いのが常です。
この試合でもウルグアイのゴンサレス(20番)が交代するときにネイマール(10番)のそばを通ると、口げんかで何かやりあっている様子が見られました。そのため、コパアメリカはいつも熱い戦いになります。
このブラジル対ウルグアイも1950年ブラジルW杯の決勝戦のカードの再現で、当時はホームで優勝を義務付けられたブラジルがまさかの黒星を喫し、「マラカナンの悲劇」と言われた試合です。
今回の試合では、ウルグアイがロドリゲス(7番)、アルバロ(17番)、ゴンサレスを自陣に引かせてラインを下げ、攻撃はフォルラン(10番)、スアレス(9番)、カバーニ(21番)の3人に任せるという慎重な入りをしました。
スペースがなくなったブラジルが苛立って下がり始めたあたりはウルグアイの狙い通りで、こういう相手と戦うためにはポストプレーヤーのフレッジ(9番)を置いたブラジルのフェリペ監督の狙いも空回りしていましたが、フォルランが先制のチャンスだったPKをジュリオ・セザール(12番)にセーブされたあたりはまだブラジルにツキがありました。
ブラジルの先制点は、ボランチのパウリーニョ(18番)の縦パスからでした。わずかに空いたスペースに走り込んでいたネイマールの動きをよく見ていたパウリーニョは、ここしかない位置に正確にロングボールを蹴り込み、ネイマールもうまくコントロールして折り返し、フレッジが決めてブラジルが先制しました。
こういう個人技の組み合わせは、さすがブラジルでしたが、ウルグアイも後半の頭に、引いているばかりではらちがあかないと、思い切ってアルバロやロドリゲスや右SBペレイラ(16番)を上げたタイミングが同点ゴールに結びつきました。ウルグアイの圧力を感じたCBチアゴ・シウバ(3番)がまさかのパスミスで、カバーニのゴールでこのワンチャンスを決めたウルグアイが追いつきます。
攻めるブラジル、守るウルグアイの展開は後半続きましたが、ウルグアイが時折繰り出すカウンターは有効で、南米予選なら強豪国から勝ち点1を取りに行く慎重な戦略を見せます。試合は延長戦突入間際の41分、ネイマールのCKからパウリーニョが頭一つ抜け出したヘディングでゴールを決め、ブラジルが2-1で勝利しました。
結果こそ順当に見えた勝利でしたが、ブラジルとアルゼンチン以外の南米の国は、南米予選が全参加国の総当りになったので、強豪からアウェイで勝ち点1を取る訓練は普段からしています。そんなウルグアイの工夫が見られたという意味で、面白い試合だったと思います。
ブラジルは相手によって戦い方を変えるチームではなく、どんなチームにも基本的には同じ戦い方を貫くチームですが、ウルグアイがどう出るかは注目でした。南米の10ヶ国は19世紀に戦争を仕掛け合った間柄なので、お互いは仲が悪いのが常です。
この試合でもウルグアイのゴンサレス(20番)が交代するときにネイマール(10番)のそばを通ると、口げんかで何かやりあっている様子が見られました。そのため、コパアメリカはいつも熱い戦いになります。
このブラジル対ウルグアイも1950年ブラジルW杯の決勝戦のカードの再現で、当時はホームで優勝を義務付けられたブラジルがまさかの黒星を喫し、「マラカナンの悲劇」と言われた試合です。
今回の試合では、ウルグアイがロドリゲス(7番)、アルバロ(17番)、ゴンサレスを自陣に引かせてラインを下げ、攻撃はフォルラン(10番)、スアレス(9番)、カバーニ(21番)の3人に任せるという慎重な入りをしました。
スペースがなくなったブラジルが苛立って下がり始めたあたりはウルグアイの狙い通りで、こういう相手と戦うためにはポストプレーヤーのフレッジ(9番)を置いたブラジルのフェリペ監督の狙いも空回りしていましたが、フォルランが先制のチャンスだったPKをジュリオ・セザール(12番)にセーブされたあたりはまだブラジルにツキがありました。
ブラジルの先制点は、ボランチのパウリーニョ(18番)の縦パスからでした。わずかに空いたスペースに走り込んでいたネイマールの動きをよく見ていたパウリーニョは、ここしかない位置に正確にロングボールを蹴り込み、ネイマールもうまくコントロールして折り返し、フレッジが決めてブラジルが先制しました。
こういう個人技の組み合わせは、さすがブラジルでしたが、ウルグアイも後半の頭に、引いているばかりではらちがあかないと、思い切ってアルバロやロドリゲスや右SBペレイラ(16番)を上げたタイミングが同点ゴールに結びつきました。ウルグアイの圧力を感じたCBチアゴ・シウバ(3番)がまさかのパスミスで、カバーニのゴールでこのワンチャンスを決めたウルグアイが追いつきます。
攻めるブラジル、守るウルグアイの展開は後半続きましたが、ウルグアイが時折繰り出すカウンターは有効で、南米予選なら強豪国から勝ち点1を取りに行く慎重な戦略を見せます。試合は延長戦突入間際の41分、ネイマールのCKからパウリーニョが頭一つ抜け出したヘディングでゴールを決め、ブラジルが2-1で勝利しました。
結果こそ順当に見えた勝利でしたが、ブラジルとアルゼンチン以外の南米の国は、南米予選が全参加国の総当りになったので、強豪からアウェイで勝ち点1を取る訓練は普段からしています。そんなウルグアイの工夫が見られたという意味で、面白い試合だったと思います。
昨夜、コンフェデ杯の準決勝、イタリア対スペインを見ました。コンフェデ杯に各チームがベストメンバーを送るようになったのは最近ですが、W杯を思わせるような戦術と戦略を見られた面白い攻防戦でした。写真に両チームのスタメンを示しますが、イタリアはスペインに欧州選手権の決勝で0-4と惨敗しており、攻撃サッカーでまともにやり合ったら勝てないという戦術を見せました。
それが今回の3-6-1です。もともと、セリエAでは上位のユベントス、ナポリが3バックのチームで、今回のイタリアの3バックも全員ユベントスの選手と、3バックのような戦術的「仕掛け」はやりやすい要素が揃っていました。時間帯によっては手堅く5バックにしてでも守る、イタリアのカテナチオに、パスサッカーのスペインは戸惑った印象があります。
カウンターの速い攻めが機能したイタリアは、ボール支配率こそ劣るものの、何度もスペインゴールに迫りました。また、右FWカンドレーバ(6番、ラツィオ)も3トップのサイド向きの選手でした。アクイラーニ、ディアマンティとトップ下タイプを多く選んでいたプランデッリ監督の選考には疑問もありましたが、このカンドレーバは運動量も多く、延長戦になっても仕掛けられる体力がある、いい選手でした。
しかし、今回のコンフェデ杯は南半球のブラジルは冬だから過ごしやすいと予想していましたが、この準決勝の会場のフォルタレーザは赤道直下の街で、気温30度の蒸し暑い気候でした。この暑さで両チーム足がつる選手が続出する厳しい環境で、イタリアの速いサッカーは次第に機能しなくなります。
こうなってくると、動きが鈍いのを見て取ったスペインの現実的戦略が機能し始めます。それは3トップを交代させ、その交代選手を中心に攻めるサッカーです。確かに、交代選手は元気ですから、彼らをどう使うかの戦略は重要ですが、今回のスペインはそれが前面に出た、面白い機能のさせ方でした。
延長戦は押し気味に試合を運んだスペインは、最後はPK戦まで行ったこの試合を辛くも制し、決勝進出を決めました。このレベルになると、PKはなかなか外さない技術を持っており、イタリアは7人目のCBボヌッチまで行くことになります。CBだけにPKなどはめったに蹴ったことはないはずで、気負いすぎかバーの上に外し決着します。
ブラジル対スペインは見たかったカードで、テクニカルな両チームがどういう攻撃サッカーを見せるか、楽しみに待ちたいと思います。
それが今回の3-6-1です。もともと、セリエAでは上位のユベントス、ナポリが3バックのチームで、今回のイタリアの3バックも全員ユベントスの選手と、3バックのような戦術的「仕掛け」はやりやすい要素が揃っていました。時間帯によっては手堅く5バックにしてでも守る、イタリアのカテナチオに、パスサッカーのスペインは戸惑った印象があります。
カウンターの速い攻めが機能したイタリアは、ボール支配率こそ劣るものの、何度もスペインゴールに迫りました。また、右FWカンドレーバ(6番、ラツィオ)も3トップのサイド向きの選手でした。アクイラーニ、ディアマンティとトップ下タイプを多く選んでいたプランデッリ監督の選考には疑問もありましたが、このカンドレーバは運動量も多く、延長戦になっても仕掛けられる体力がある、いい選手でした。
しかし、今回のコンフェデ杯は南半球のブラジルは冬だから過ごしやすいと予想していましたが、この準決勝の会場のフォルタレーザは赤道直下の街で、気温30度の蒸し暑い気候でした。この暑さで両チーム足がつる選手が続出する厳しい環境で、イタリアの速いサッカーは次第に機能しなくなります。
こうなってくると、動きが鈍いのを見て取ったスペインの現実的戦略が機能し始めます。それは3トップを交代させ、その交代選手を中心に攻めるサッカーです。確かに、交代選手は元気ですから、彼らをどう使うかの戦略は重要ですが、今回のスペインはそれが前面に出た、面白い機能のさせ方でした。
延長戦は押し気味に試合を運んだスペインは、最後はPK戦まで行ったこの試合を辛くも制し、決勝進出を決めました。このレベルになると、PKはなかなか外さない技術を持っており、イタリアは7人目のCBボヌッチまで行くことになります。CBだけにPKなどはめったに蹴ったことはないはずで、気負いすぎかバーの上に外し決着します。
ブラジル対スペインは見たかったカードで、テクニカルな両チームがどういう攻撃サッカーを見せるか、楽しみに待ちたいと思います。
マニアックな、他国から見た最終予選総括は、最終回のオマーン代表です。オマーン代表はGKがプレミアリーグのウィガンでレギュラーのアルハブシなのは知られていましたが、3次予選の成績が2勝2敗2分けの勝ち点8という低空飛行で、厳しいことを言えば最終予選では最弱チームだろうと予想していました。
しかし、オマーンは結果的には敗退しましたが、最終戦のヨルダン戦に勝てば豪州が引き分け以下なら2位に入り、W杯が転がり込んでくる位置にいました。この結果は予想以上の健闘で、B組がもつれた大きな理由になりました。
オマーンはフランスリーグでリヨンの黄金時代を築いた名将、ルグエン監督が指揮していました。中東のチームは監督交代が頻繁なので、短い時間で結果を出せるロングボールとカウンターのチームが多くなる傾向があります。
たぶんオマーンもそういうチームだろうと予想して、埼玉スタジアムで生観戦しましたが、実際には違いました。オマーンは4-2-3-1の布陣で、1トップのアルホスニを使った速いサッカーをやりたいようでした。ただ、埼玉スタジアムに来た段階では理想は高いものの完成していない印象でした。
オマーンが仕掛けようとした時間は逆に日本のチャンスで、そこでボールを奪ってオマーンが苦手にしているDFラインの裏のスペースに長友佑都を走らせれば、比較的簡単にチャンスを作れました。この試合を見る限りではオマーンの活躍は予想できませんでした。
しかし、オマーンはホームゲームの暑さをうまく利用した印象です。日本と対戦した昨年11月の試合では、日本代表に寒い国でプレーする欧州組が多いのを利用して、わざと暑い時間(午後3時)にキックオフを設定しました。
この結果、吉田と本田圭佑の足が止まっていたので、オマーンの作戦としては成功でした。高さの足りない今野泰幸のところをアーリークロスで攻めたのも有効でした。しかし、日本にあってオマーンになかったのは選手層の厚さでした。途中出場の酒井高徳がアシストを決めた日本は辛くも難敵を退けW杯を確実にしました。
それでも、オマーンは豪州から2分けの勝ち点2を奪っています。体力的には豪州のパワーにも対抗できる力はあったようで、たぶん引いて守るだけでは勝ち点9は取れなかったでしょう。予想以上の健闘だったオマーンですが、大事なのは今後です。
中東のチームがW杯予選で結果を出せない理由はガルフカップに熱くなりすぎ、監督をすぐに替えてしまうからです。継続したチーム作りは本当にできるか、答えは次の予選で明らかになるでしょう。
しかし、オマーンは結果的には敗退しましたが、最終戦のヨルダン戦に勝てば豪州が引き分け以下なら2位に入り、W杯が転がり込んでくる位置にいました。この結果は予想以上の健闘で、B組がもつれた大きな理由になりました。
オマーンはフランスリーグでリヨンの黄金時代を築いた名将、ルグエン監督が指揮していました。中東のチームは監督交代が頻繁なので、短い時間で結果を出せるロングボールとカウンターのチームが多くなる傾向があります。
たぶんオマーンもそういうチームだろうと予想して、埼玉スタジアムで生観戦しましたが、実際には違いました。オマーンは4-2-3-1の布陣で、1トップのアルホスニを使った速いサッカーをやりたいようでした。ただ、埼玉スタジアムに来た段階では理想は高いものの完成していない印象でした。
オマーンが仕掛けようとした時間は逆に日本のチャンスで、そこでボールを奪ってオマーンが苦手にしているDFラインの裏のスペースに長友佑都を走らせれば、比較的簡単にチャンスを作れました。この試合を見る限りではオマーンの活躍は予想できませんでした。
しかし、オマーンはホームゲームの暑さをうまく利用した印象です。日本と対戦した昨年11月の試合では、日本代表に寒い国でプレーする欧州組が多いのを利用して、わざと暑い時間(午後3時)にキックオフを設定しました。
この結果、吉田と本田圭佑の足が止まっていたので、オマーンの作戦としては成功でした。高さの足りない今野泰幸のところをアーリークロスで攻めたのも有効でした。しかし、日本にあってオマーンになかったのは選手層の厚さでした。途中出場の酒井高徳がアシストを決めた日本は辛くも難敵を退けW杯を確実にしました。
それでも、オマーンは豪州から2分けの勝ち点2を奪っています。体力的には豪州のパワーにも対抗できる力はあったようで、たぶん引いて守るだけでは勝ち点9は取れなかったでしょう。予想以上の健闘だったオマーンですが、大事なのは今後です。
中東のチームがW杯予選で結果を出せない理由はガルフカップに熱くなりすぎ、監督をすぐに替えてしまうからです。継続したチーム作りは本当にできるか、答えは次の予選で明らかになるでしょう。
今週末、浦和はホーム埼玉スタジアムで、ナビスコ杯準々決勝でC大阪と対戦します。アウェイの第1戦の内容があまりにも素晴らしかったので、サポーターの期待は高まっているはずで、年間チケットの対象外、日曜夜と悪条件が揃っている試合ですが、私も行こうと思っています。
勝っているチームは動かさないとよく言われます。浦和は第1戦で悪かった選手が思い付かないほどで、負傷などの不可抗力がなければ同じメンバーが基本になるでしょう。テレビ埼玉のGGRで福田正博氏が話していましたが、浦和の強さの秘密は高い位置でボールを取りに行けることで、第1戦もその良さがはっきり出ていました。
不祥事で謹慎していた原口が練習試合で2点取っていますが、これだけチーム状態がいいと替えにくいのが事実で、ベンチスタートを予想しています。興梠に当たりが出始めたのが明るい要素で、チーム得点王はFWが取った方が理想的だと思います。
C大阪は、森島寛晃氏の背番号8を受け継いだFW柿谷曜一郎がリーグ戦で得点ランキングトップと好調です。スピードを生かす技術が武器で、左足のアウトサイドでも正確に止められます。U-17代表時代はジダンを思わせる技術で勝負する選手でしたが、スピード型FWになってから結果を出すようになりました。
また、五輪代表コンビの山口、扇原のところもC大阪のストロングポイントです。セリエAのローマにも在籍したブラジル人シンプリシオをボランチに入れて、山口を右サイドハーフに入れた形は機能しています。
ただ、攻撃重視のチームなので、ミシャサッカーの攻撃力がはまる可能性がある相手です。しかもミシャサッカーと相性のいい4バックのチームで、浦和のアウトサイドの平川、梅崎は面白いように空くかもしれません。
注目ポイントは2点ビハインドのC大阪の出方です。普段の形を崩してでも前に出てくる可能性もあり、浦和は早い時間で失点するとチームが動揺する恐れもあります。時間帯によっては5バックにして引くこともある浦和は、落ち着いて戦うことが最も大事です。
勝っているチームは動かさないとよく言われます。浦和は第1戦で悪かった選手が思い付かないほどで、負傷などの不可抗力がなければ同じメンバーが基本になるでしょう。テレビ埼玉のGGRで福田正博氏が話していましたが、浦和の強さの秘密は高い位置でボールを取りに行けることで、第1戦もその良さがはっきり出ていました。
不祥事で謹慎していた原口が練習試合で2点取っていますが、これだけチーム状態がいいと替えにくいのが事実で、ベンチスタートを予想しています。興梠に当たりが出始めたのが明るい要素で、チーム得点王はFWが取った方が理想的だと思います。
C大阪は、森島寛晃氏の背番号8を受け継いだFW柿谷曜一郎がリーグ戦で得点ランキングトップと好調です。スピードを生かす技術が武器で、左足のアウトサイドでも正確に止められます。U-17代表時代はジダンを思わせる技術で勝負する選手でしたが、スピード型FWになってから結果を出すようになりました。
また、五輪代表コンビの山口、扇原のところもC大阪のストロングポイントです。セリエAのローマにも在籍したブラジル人シンプリシオをボランチに入れて、山口を右サイドハーフに入れた形は機能しています。
ただ、攻撃重視のチームなので、ミシャサッカーの攻撃力がはまる可能性がある相手です。しかもミシャサッカーと相性のいい4バックのチームで、浦和のアウトサイドの平川、梅崎は面白いように空くかもしれません。
注目ポイントは2点ビハインドのC大阪の出方です。普段の形を崩してでも前に出てくる可能性もあり、浦和は早い時間で失点するとチームが動揺する恐れもあります。時間帯によっては5バックにして引くこともある浦和は、落ち着いて戦うことが最も大事です。
先週の西武対横浜の交流戦では、始球式の代わりに行われた西武OB鈴木健と横浜OB野村弘樹の1打席対決は見応えがありました。野村のストレートは引退した今でもMax127km出ていましたが、鈴木健は何球かファウルで粘り最後は右中間に運びました。以前は日本のプロ野球はOBを大切にしないという批判がありましたが、こういうOBにスポットライトを当てる機会は作って欲しいです。
その1打席対決に、広島OB大野豊と西武OB石毛の対決もありました。残念ながら平日の夜なので見ることはできませんでしたが、大野といえば少年時代のヒーローで、アスリートタイプの身体能力の高さを持つので、今どんなボールを投げるかは見たかったです。
大リーグではノーラン・ライアンが引退後に始球式に登板して、低めいっぱいに140kmはありそうなストレートを放っていたので、大野なら今でもいいボールを投げる可能性はあると思います。大野の時代はカープが強かった時期で、北別府、大野、川口の3本柱は今でも思い出せます。
その中でも大野が印象に残っているのは1988年の沢村賞です。当時、カープ打席が援護できず、大野の勝ち星は沢村賞の最少勝ち星の13勝でしたが、投球内容を見れば文句なしの受賞でした。その年の大野の防御率は打高投低だった当時では驚異的な1.70で、今でこそダルビッシュが日本ハム時代に当たり前のように防御率1点台を出していますが、大野の数字は素直に尊敬できました。
大野は島根県の銀行勤務からテスト入団でカープに入った投手です。当時、「銀行のような堅い商売をしているならプロ野球のような危険な賭けはしなくてもいいのでは」と周囲に言われていました。もっとも、大野はリトルリーグの経験がなく、高校も軟式野球部であまり酷使されていなかったことが成功の要因でした。
また、大野は打者としても足が速く内野安打を稼げる特徴を持っていました。打率も2割5分近い数字で、今の時代なら大谷のような二刀流もできたと思います。大野の現役生活は長く、当時としては異例の42歳までプレーしました。
驚くべき事実は引退の前の年に防御率1位のタイトルを取っていることです。抑えをやっていた時代があったので、通算勝ち星こそ148勝でしたが、あの時代の強かったカープの記憶に結び付く、素晴らしい選手でした。
その1打席対決に、広島OB大野豊と西武OB石毛の対決もありました。残念ながら平日の夜なので見ることはできませんでしたが、大野といえば少年時代のヒーローで、アスリートタイプの身体能力の高さを持つので、今どんなボールを投げるかは見たかったです。
大リーグではノーラン・ライアンが引退後に始球式に登板して、低めいっぱいに140kmはありそうなストレートを放っていたので、大野なら今でもいいボールを投げる可能性はあると思います。大野の時代はカープが強かった時期で、北別府、大野、川口の3本柱は今でも思い出せます。
その中でも大野が印象に残っているのは1988年の沢村賞です。当時、カープ打席が援護できず、大野の勝ち星は沢村賞の最少勝ち星の13勝でしたが、投球内容を見れば文句なしの受賞でした。その年の大野の防御率は打高投低だった当時では驚異的な1.70で、今でこそダルビッシュが日本ハム時代に当たり前のように防御率1点台を出していますが、大野の数字は素直に尊敬できました。
大野は島根県の銀行勤務からテスト入団でカープに入った投手です。当時、「銀行のような堅い商売をしているならプロ野球のような危険な賭けはしなくてもいいのでは」と周囲に言われていました。もっとも、大野はリトルリーグの経験がなく、高校も軟式野球部であまり酷使されていなかったことが成功の要因でした。
また、大野は打者としても足が速く内野安打を稼げる特徴を持っていました。打率も2割5分近い数字で、今の時代なら大谷のような二刀流もできたと思います。大野の現役生活は長く、当時としては異例の42歳までプレーしました。
驚くべき事実は引退の前の年に防御率1位のタイトルを取っていることです。抑えをやっていた時代があったので、通算勝ち星こそ148勝でしたが、あの時代の強かったカープの記憶に結び付く、素晴らしい選手でした。
アジア最終予選のB組は日本が早々と抜け出しましたが、2位以下は混戦になりました。その混戦を演出したのがヨルダンとオマーンの健闘でした。特にヨルダンは3位に入り、9月にウズベキスタンとホームアンドアウェイで戦う5位決定戦に出場する(勝てば南米5位とW杯を賭けて対戦)、予想以上の成果を得ました。
その要因はいくつかあります。日本戦を見る限りではホーム、アンマンの環境の悪さを最大限利用した印象です。このスタジアムはロンドン五輪予選でU-23代表が試合をした経験があり、その試合に出場した酒井宏樹や権田の情報は役立つはずと思っていましたが、結果的には実りませんでした。
また、イラクU-23代表を率いてアテネ五輪4位の実績を誇る名将、ハマド監督の策も当たりました。ヨルダンはセットプレーの守備がボールウォッチヤーになる欠点があったチームですが、映像が手に入ったイラク戦を見る限りでは、その穴をGKシャフィーにカバーさせていました。
シャフィーは2004年のアジア杯で日本と準々決勝で当たり、PK戦までもつれ込んだ死闘を演じたベテランGKです。DFが出られないところに的確にシャフィーが出る、セットプレーのカバーはハマド監督の策だと思います。
また、ヨルダンは自らは横綱相撲は取れないことを十分理解していました。埼玉スタジアムの日本戦こそ退場者を出して0-6の惨敗を喫しましたが、無理に攻めに出ず守るべきタイミングは人数をかける格下サッカーは2011年アジア杯のときから徹底していました。
その結果、ホームでは日本と豪州から勝ち点3を取り、この組の混戦の理由になりました。ヨルダンは3次予選で中国とイラクと同じ組になった時点で勝ち抜きは難しいと思っていましたが、ここまでやるとは思っていませんでした。
ウズベキスタンとの5位決定戦はおそらく不利でしょう。しかし、ホームの環境の悪さを最大限利用すれば可能性はあるはずです。アジアのサッカー強国の中にヨルダンの名前が刻まれるよう、ウズベキスタンとはいい試合をして欲しいです。
その要因はいくつかあります。日本戦を見る限りではホーム、アンマンの環境の悪さを最大限利用した印象です。このスタジアムはロンドン五輪予選でU-23代表が試合をした経験があり、その試合に出場した酒井宏樹や権田の情報は役立つはずと思っていましたが、結果的には実りませんでした。
また、イラクU-23代表を率いてアテネ五輪4位の実績を誇る名将、ハマド監督の策も当たりました。ヨルダンはセットプレーの守備がボールウォッチヤーになる欠点があったチームですが、映像が手に入ったイラク戦を見る限りでは、その穴をGKシャフィーにカバーさせていました。
シャフィーは2004年のアジア杯で日本と準々決勝で当たり、PK戦までもつれ込んだ死闘を演じたベテランGKです。DFが出られないところに的確にシャフィーが出る、セットプレーのカバーはハマド監督の策だと思います。
また、ヨルダンは自らは横綱相撲は取れないことを十分理解していました。埼玉スタジアムの日本戦こそ退場者を出して0-6の惨敗を喫しましたが、無理に攻めに出ず守るべきタイミングは人数をかける格下サッカーは2011年アジア杯のときから徹底していました。
その結果、ホームでは日本と豪州から勝ち点3を取り、この組の混戦の理由になりました。ヨルダンは3次予選で中国とイラクと同じ組になった時点で勝ち抜きは難しいと思っていましたが、ここまでやるとは思っていませんでした。
ウズベキスタンとの5位決定戦はおそらく不利でしょう。しかし、ホームの環境の悪さを最大限利用すれば可能性はあるはずです。アジアのサッカー強国の中にヨルダンの名前が刻まれるよう、ウズベキスタンとはいい試合をして欲しいです。
マニアックに他国から見た最終予選総括は、イラク代表です。プレーオフ圏の3位争いには絡めると予想していたイラクの最下位の不振は驚きです。イラクはFIFA裁定でホームゲームの第三国開催を指示された不利があり、結果的にはこれが大きく響きました。
イラクといえば日本にとっては1993年のドーハの悲劇の対戦相手というイメージが強いですが、1986年メキシコW杯当時は戦争の影響で全試合をアウェイで戦う不利な条件を跳ねかえしてW杯に出場した、サッカー強国です。
ただ、今回のイラクはジーコを代表監督に据える投資をしながら、ホームのヨルダン戦のわずか1勝で敗退しました。日本が独走したものの、B組は2位争いが混戦になりイラクにはチャンスでしたが、オマーンやヨルダンより下の結果で終わったのは意外な結果でした。
ジーコのイラクは、埼玉スタジアムに来た映像を見ました。このときのイラクは日本から勝ち点1を狙いに行った采配で、エースFWマハムードをベンチスタートにして若手FW2枚を起用して遠藤と長谷部からのパスを消しに行く、極端なアウェイ用のサッカーでした。
これで狙い通り引き分けに持ち込んでいればさすがジーコでしたが、日本は岡崎がドリブルで崩したチャンスを前田がきっちりものにして、W杯を引き寄せる勝ち点3を取れました。結局、イラクは日本と豪州の2強相手に4戦全敗だったのが響きました。
また、せっかく呼んだジーコ監督が、給料未払いで辞任するという協会のマネージメントミスも痛かったです。イラクは戦争やテロには負けないと、2007年のアジア杯で優勝するようなサッカー強国の意地を見せてくれるメンタルの強さが武器ですが、協会が足を引っ張っては持ち味の粘りも出せませんでした。
ただ、イラクは一つ、代表強化に有利な要素も持っています。それは、サウジアラビア、UAE、カタールのような産油国のビッグクラブと地理的に近いことです。産油国で、外国人枠の争いを勝ち抜いてカタールリーグ得点王にもなったマハムードのような選手が出るポテンシャルは十分持っています。
実際、イラクの選手は技術的にはしっかりしているので、的確な戦略があれば強くなる要素はあります。今回は結果を出せませんでしたが、日本にとってはまだ警戒は怠れない相手です。
イラクといえば日本にとっては1993年のドーハの悲劇の対戦相手というイメージが強いですが、1986年メキシコW杯当時は戦争の影響で全試合をアウェイで戦う不利な条件を跳ねかえしてW杯に出場した、サッカー強国です。
ただ、今回のイラクはジーコを代表監督に据える投資をしながら、ホームのヨルダン戦のわずか1勝で敗退しました。日本が独走したものの、B組は2位争いが混戦になりイラクにはチャンスでしたが、オマーンやヨルダンより下の結果で終わったのは意外な結果でした。
ジーコのイラクは、埼玉スタジアムに来た映像を見ました。このときのイラクは日本から勝ち点1を狙いに行った采配で、エースFWマハムードをベンチスタートにして若手FW2枚を起用して遠藤と長谷部からのパスを消しに行く、極端なアウェイ用のサッカーでした。
これで狙い通り引き分けに持ち込んでいればさすがジーコでしたが、日本は岡崎がドリブルで崩したチャンスを前田がきっちりものにして、W杯を引き寄せる勝ち点3を取れました。結局、イラクは日本と豪州の2強相手に4戦全敗だったのが響きました。
また、せっかく呼んだジーコ監督が、給料未払いで辞任するという協会のマネージメントミスも痛かったです。イラクは戦争やテロには負けないと、2007年のアジア杯で優勝するようなサッカー強国の意地を見せてくれるメンタルの強さが武器ですが、協会が足を引っ張っては持ち味の粘りも出せませんでした。
ただ、イラクは一つ、代表強化に有利な要素も持っています。それは、サウジアラビア、UAE、カタールのような産油国のビッグクラブと地理的に近いことです。産油国で、外国人枠の争いを勝ち抜いてカタールリーグ得点王にもなったマハムードのような選手が出るポテンシャルは十分持っています。
実際、イラクの選手は技術的にはしっかりしているので、的確な戦略があれば強くなる要素はあります。今回は結果を出せませんでしたが、日本にとってはまだ警戒は怠れない相手です。