J1リーグのない週末は、ネタがないので、男女問わずいろいろな選手のネタを少しずつ取り上げていきます。今日のネタは、なでしこジャパンの躍進に貢献したFW、永里優季選手です。永里は、現役女子大生で、今でも十分若いのですが、実は16歳で迎えたアテネ五輪もメンバー当落線上だったそうです(出られませんでしたが)。
永里について語るとき、どうしてもサッカー一家であることは出てきてしまいます。兄、源気はJ2湘南のMFですし、妹も日テレ・ベレーザの選手です。夢は3人揃っての五輪出場だったのですが、一番厳しかったのは男子の年齢制限で今回が最後になる兄で、どうしてもJ2の選手だと反町ジャパンにはひっかかりませんでした。
結局、優季一人が五輪に出場することになったのですが、佐々木監督が運動量の多いタイプを重用したので、永里はなかなかゴールは決められなかったもののスタメンをキープしました。永里の良いところは、168cmと女子にしては大柄な体格ながら、攻守の切り替えが早く、相手ボールになったら素早く守備に戻れることです。
こういうプレースタイルを、暑い中国で再三日本にやられた相手チームは、次第に消耗してきました。特に、1次リーグで対戦したノルウェーのへばり方を見ると、なでしこの強化は間違っていないと確信しました。
そんな「動けるFW」でプレスの起点になる永里を見ると、やはりサッカーはチームで連動することが大事で、その永里の頑張りを無駄にしないMF陣が、後ろでしっかりこぼれ球を拾って、ときには再度チャンスを作ることもありました。ただ、やはりFWである以上、ゴールは目立つチャンスですから欲しいのは事実ですが、永里のゴールは重要な場面で出ました。
それは準々決勝の中国戦、相手CBの間を強引に割って入る走り込みで、大野が出したボールに追いついて決めた2点目のゴールでした。これは、今まで地味に走ってチームに貢献していた永里への報酬だったのではと思います。そんな粘りは、おそらくサッカー一家に育ったことも一つの要因だったかもしれません。
皆現役ですから、お互いの試合を見るのは難しいでしょうが、会ったときに刺激しあう身内がいるのは大きいと思います。これからも、永里一家の活躍に期待したいです。