政府が次世代技術を活用した地熱発電の実用化に向け、官民協議会を来年設置することが11月8日分かった。
開発期間の短縮や発電規模の拡大といった課題を洗い出し、2030年までの事業化を目指す。
地熱開発の予算も拡充し、世界3位の地熱資源量の有効活用につなげたい考えだ。
年内に素案を示す国の中期的なエネルギー政策の指針「エネルギー基本計画」に促進策を盛り込む。
地方創生を掲げる石破茂首相は、地方に多い地熱発電が「地域経済に恩恵をもたらす」として開発を推進する意向を示している。
地熱発電の発は、近接する温泉事業者との利害調整が難しく、事業者が二の足を踏む傾向にある。
従来の地熱発電は地下から取り出す高温の熱水や蒸気でタービンを回して発電する仕組み。
「クローズドループ」と呼ばれる次世代技術は地上と地下を結ぶループ(配管)に水を循環させて熱を回収する。
地下に熱水や蒸気が十分になくても熱を取り出せるため、温泉源と重複せずに発電が可能という。
海外では従来型に比ベー深く掘り、より高温高圧の水を取り出す「超臨界」地熱の開発も進む。
これらの技術の事業化も想定して技術的調査を進める方針だ。
掘削調査の国の助成費も増やす。地熱開発は井戸を複数掘って資源を探り当てるが、一般的にI回の掘削に10億円程度かかる上、成功率が低く事業者の負担となっている。
今後はエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が地中を掘削し蒸気の噴出を確認するまでの費用の全額を賄い、事業者のリスクを軽減する。
政府は2030年度の発電容量を150万キロとする目標を掲げるが、足元では60万キロと大きな開きがある。
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