災害時の人工透析継続に関し、全国6割超の30道府県が隣接する都道府県との連携体制を構築していないことが9月7日、共同通信のアンケートで分かった。
透析施設の損壊や断水が起き、水の確保などを迫られる事態に備え連携体制を構築していると答えたのは15都県だった。
対応を巡り地域差が浮かび上がった。
今年1月の能登半島地震の被災地では県内の自治体中心に患者を受け入れ、透析を継続した。
南海トラフ巨大地震など被害が広域に及ぶような災害では都道府県境を越えた連携が鍵になる。
アンケートは5~6月に実施し、全47都道府県の回答をまとめた。
隣接する都道府県との連携体制について鳥取など15都県が「構築している」と答えた。
「構築していない」としたのは広島など30道府県。
福井と奈良の2県は「その他」と答えた。
透析継続に向けたマニュアルを都道府県が作成しているかどうかについて聞くと、広島など25都府県が「作成している」と回答。
山口など20道府県が「作成していない」とし、岐阜と奈良の2県は「その他」と答えた。
透析は通常、週3回の通院と大量の水が必要となり、国内の患者は約35万人に上る。
厚生労働省の研究班は2023年、災害に備え透析施設や医療団体に対策を求めるとともに、自治体は都道府県ごとに対応マニュアルを作成し、隣接する都道府県でネットワークを構築するのが望ましいとする提言をまとめた。
日本透析医会の山川副会長は「医療機関側でできることは限られる。 給水車の手配や避難してきた透析患者の宿泊場所の確保は行政間の連携が重要だ」としている。
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