アルツハイマー病の原因とされるタンパク質を無症状の人らの血液中から測定し、脳内での蓄積状況を判別することに成功したと、東京大の岩坪教授らのチームが5月23日、国際専門誌に発表した。
従来より効率的に早期段階の認知症診断につながると期待される。
日本人を対象にした大規模な実証は初めてという。
アルツハイマー病は、脳内にアミロイドベーダやタウと呼ばれるタンパク質が蓄積することで神経細胞が壊れて脳が萎縮するとされる。
昨年発売された新薬「レカネマブ」は、アミロイドベーダがたまった人が対象。
陽電子放射断層撮影(PET)や脳脊髄液検査で蓄積を確認して治療するが、検査できる医療機関が限られ高額となるほか、体への負担も大きい。
研究では、軽度認知障害(MCI)や、その前段階で無症状の「プレクリニカル期」と診断された日本人474人の血液を採取。
血液中のアミロイドベーダやタウを病気の指標となる「バイオマーカー」として測定した。
臨床データを組み合わせ、PETの画像診断結果を予測したところ、アミロイドベーダの蓄積状況が実際の画像と高い精度で一致していた。
診断にはPETなどによる確定検査も必要とした上で、岩坪教授は「無症状段階で発見することは難しいとされてきた。
将来的には血液検査による超早期診断で治療につなげたい」と話して
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