国は朝鮮半島出身者が戦時中に「強制労働させられた現場だ」として「佐渡島の金山」の世界文化遺産への推薦撤回を要求してきた。
韓国外務省は1月28日、推薦決定を受けて「深い遺憾を表明し、こうした試みを中止することを厳重に求める」との報進官声明を発表。
相星駐韓大使を呼んで抗議するなどすぐさま反発した。
日韓関係はさらに悪化する見通しだ。
韓国の強硬対応の背景には、同様に朝鮮半島出身者が働いていた長崎市の端島(通称・軍艦島)などの「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録を巡る約束が「忠実に履行されていない」との不信感がある。
1月28日の声明でも改めて「約束の履行」を要求した。
2015年の産業革命遺産の登録を巡り、韓国は一部施設での強制労働を理由に強く反対。
日本が「犠牲者を記憶にとどめるために適切な対応を取る」と表明したことで態度を軟化させた。
しかし、日本政府が遺産の全体像を紹介するために2020年に設置した施設の展示に、朝鮮半島出身者への差別的対応はなかったとの証言内容が含まれていたことから韓国は 「歴史の歪曲だ」と強く反発してきた。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会が昨年7月に日本政府の説明は不十分だとする決議案を採択したことも、韓国に追い風となった。
韓国外務省は今回の主張を巡り、佐渡鉱山で強制労働をさせられたとする具体的な資料などは提示していない。
ただ、行政安全省や韓国の研究者によると、2005年以降に政府が強制動員の被害実態を調査した際、佐渡鉱山で働いていた人たちの口述記録などが保管されているという。
林外相は1月28日夜、「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録への推薦中止を求めた韓国外務省報進官声明を巡り、韓国側に対し拒否する意向を伝えたと明らかにした。
外務省で記者団に「韓国側の独自の主張は受け入られないと申し入れた」と述べた。
登録に向けて関係国との話し合いが奨励されているとして「韓国とは誠実に対話し、冷静かつ丁寧に議論したい」とも語った。
中国や北朝鮮の軍事的脅威に連携して対処するため、米国には日韓関係悪化への懸念がある。
林氏は推薦を巡り、米国と意思疎通していると説明した。
当然の対応だ。
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