病気のリスクが高まるとされる「メタボリックシンドローム」はおなか回りの基準が大きな目安になってきた。
ところが、いまの基準では多くの人がリスクを見逃されているとの研究結果を新潟大のチームがまとめ、論文を発表した。
現在の女性の腹囲を90センチから77センチに見直すべきだなどとするあらたな基準案を示している。
研究チームが、最新データで分析すると、実際に心筋梗塞や脳卒中などの「心血管病」を起こした女性の9割、男性の7割が現在の基準値ではメタボに該当せず、リスクが見逃されていたという。
メタボ基準は、一部項目の値などを修正した形で国の特定健診(メタボ健診)・特定保健指導に使われている。基準をめぐっては、女性の腹囲の値が、男性(現状85センチ以上)より高いことなどに、基準が公表された2005年当時から批判の声があった。
新潟大の血液・内分泌・代謝内科の藤原特任准教授、曽根教授らは、メタボ健診のデータと、診療報酬請求(レセプト)のデータを活用し、2008年から2016年にかけて健診を受けた18~74歳の約56万5千人のその後を追跡。
実際に心血管病を起こした人と起こさなかった人の測定値などをもとに、将来発症するリスクが高い人を見分けるのに最もふさわしい値を探った。
すると、腹囲は男性83センチ、女性77センチ以上などの結果になった。
腹囲以外の項目についても、全般的に現在の基準値よりも厳しめの数値になっている。
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