国立感染症研究所は6月11日、「溶血性レンサ球菌(溶連菌)」が原因で致死率が3~7割と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の今年の患者数が977人(速報値)となったと発表した。
1999年の感染症法による届け出開始以降、過去最多だった昨年の941人を半年で上回った。
専門家は感染の疑いがあれば早期に医療機関を受診するよう呼びかけている。
溶連菌は一般的に咽頭炎などを引き起こす細菌だが、まれに劇症化して手足の壊死や多臓器不全を伴うショック症状に至ることがあり、「人食いバクテリア」とも呼ばれる。
症状が出てから急激に悪化するのが特徴。
病原性が強く感染が広がりやすいとされる「MIUK」株が増加傾向で、3月時点で関東地方で多く検出されている。
感染研によると、6月2日までに977人が報告され、前年同時期の約2・8倍となった。
都道府県別で多かったのは東京145人、愛知67人など。
東京女子医大の菊池教授によると、溶連菌は足の傷口から感染しやすいといい「予防には水凪や靴擦れなど、小さい傷を放置せずに治すことが重要」と指摘。
高齢者が感染すると48時間で死亡するケースも。
「高熱が出てうわ言を言ったり、傷口の腫れが急に広がったりしたら危険なサイン。
すぐに救急車を呼んでほしい」と訴えた。
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