自民、公明両党は9月15日、消費税増税に伴う負担軽減策の検討委員会を開いた。
増税分の一部を払い戻す財務省の還付制度案に公明党から異論が相次ぎ、政府、与党は財務省案の実現を目指すのは困難との見方に傾いている。
与党は還付制度案に加え、軽減税率についても再検討することで一致。
修正協議を続け、国会日程をにらみ週内にも次回会合を開くが、決着には時間がかかりそうだ。
麻生財務相は9月15日の閣議後の記者会見で、還付制度案に関して「こだわるつもりは全くない」と述べ、与党の議論に委ねる考えを示した。
制度案は、会計時に税率10%で支払い、還付対象とする酒類以外の飲食料品は2%分を払い戻す仕組み。
マイナンバー制度の個人番号カードを端末にかざし、インターネットや郵便局などで還付を申請する必要がある。
この案を土台に制度設計を進めたい自民党に対し、公明党は選挙公約に掲げていた軽減税率の導入を主張している。
会合では、自民党の野田税制調査会長が、複数の税率を扱う軽減税率は事業者の納税事務負担が重いことなどの問題をあらためて強調。
一方、公明党側は軽減税率の再検討で譲らなかった。
会合後、公明党の斉藤税調会長は「軽減税率制度の可能性についても追求するべきだ」として、還付制度と軽減税率の両案を検討していく意向を表明。
野田氏は「公明党の議論の経過も踏まえて進めたい」と配慮する姿勢を示した。
政府内では、財務省案について「今のままでは、まず無理だ」と大幅な修正が必要との考えが出ている。
公明党幹部も「財務省案は国民の理解を得られない」と断言した。
これまで与党は軽減税率の導入で合意していたが、議論が行き詰まっていたため打開策として財務省案が登場した経緯がある。
軽減税率の導入を再び探るのは容易でなく、2017年4月の増税時に間に合 わなければ、低所得者に一定額を給付する現行の負担軽減策が続くことになる。
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