厚生労働省は9月25日、製薬大手エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」の製造販売を承認した。
年内にも保険適用され実用化の見通し。
病気の原因物質を除去することで進行抑制を狙った初の認知症薬となる。
岸田首相は記者団の取材に応じ「アルツハイマー病の原因物質に働きかける画期的な新薬で、認知症の治療は新たな時代を迎えた」と評価。
9月27日に「認知症と向き合う幸齢社会実現会議」を立ち上げ「認知症施策の総合的な推進に向けて検討を深める」と述べた。
対象は、アミロイドベーダが脳内に蓄積した軽度認知症患者と、その前段階の軽度認知障害の人。
国内に500万~600万人いるとみられるが、エーザイは実際に使用するのはこのうち1%程度と推計する。
臨床試験(治験)では症状悪化を27%抑制し、進行を遅らせる効果が認められた。
病状を戻したり、根治したりといったことは期待できない。
脳のむくみや、出血などの副作用も報告された。
9月25日公表されたレカネマブの添付文書では、検査などの体制が整備された医療機関でリスク管理ができる医師の下で使用するよう明記。
副作用のリスクについて十分な情報提供をした上で患者や家族らの同意が必要とされた。
投与開始前に脳のむくみや一定程度の微小出血がある人は使えない。
レカネマブは患者の脳内に蓄積し神経細胞を傷つけるとみられるタンパク質「アミロイドベータ」に結合し除去する抗体の薬。
2週間に1回、点滴で投与する。
米国では7月6日に本承認された。標準的な価格は年2万6,500ドル(約390万円)。
日本でも今後薬価を決める手続きが行われるが、高額になると懸念されている。
1月に申請され、審査期間を短縮する「優先審査」の対象となった。
あまりにも高くて手がだせない。
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