英国の環太平洋連携協定(TPP)加盟を認める議定書が12月15日発効した。
2018年に11カ国の枠組みで発効後、新規加盟は初めて。
アジア太平洋中心だったTPPは欧州に拡大した。
12力国体制となり、国内総生産(GDP)の合計が世界全体の約15%を占める経済圏が始動した。
英国の加盟前と比較して、約3ポイント拡大した。
米国では、2017年にTPPから離脱し自由貿易に否定的なトランプ次期大統領の就任を2025年1月に控える。
世界の保護主義傾斜を警戒する日英などの加盟国は、経済大国の米中が不在の枠組みで、市場開放路線を進める。
TPPは貿易自由化を図るため、関税撤廃や削減のほか、投資ルールの透明化を進める仕組み。
英国と経済連携協定(EPA)を締結済みの日本にとつては、新たに精米などの関税が撤廃される。
英国の加盟により、TPP加盟国の貿易総額(2022年時点)は、8兆7千億ドル(約1340兆円)、人ロは5億8千万人規模に膨らむ。
英国の保守党前政権は欧州連合(EU)離脱を機に、世界各国との連携を進める「グローバルブリテン(世界的な英国)」を推進。
2021年にTPP加盟を申請した。
今年7月に政権を奪取した労働党はEUとの関係修復を重視する立場だが、TPPについては前政権の路線を引き継いでいる。
英政府によると、2040年までに英国経済を年間約20億ポンド(約3880億円)引き上げることを見込むものの、2023年のGDPの0・1%未満に過ぎず、経済効果は限定的とみられる。
TPPに参加する11カ国は2023年7月、英国の加盟を認めた。
発効には少なくとも6力国の批准が必要だった。
これまでに日本やシンガポールなど8力国が国内手続きを終え、批准が済んだ。
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