市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)で2021年5月~2022年12月に全国7救急医療機関に救急搬送された急性中毒患者122人は、平均年齢が25・8歳で、女性が97人(79・5%)を占めたことが8月16日、厚生労働省研究班の調査で分かった。
現実逃避などの目的もみられ、若年女性を中心に依存・乱用が広がっている恐れがある。
研究班の上條・埼玉医大臨床中毒センター長は「市販薬の入手しやすさが関係しており、ドラッグストアなど実店舗での対策が必要だ」と指摘。
若年女性の患者が多い理由の詳しい分析はこれからだが、過剰摂取に関する情報入手の手段として交流サイト(SNS)が多いことが影響しているとみている。
研究班によると、市販薬過剰摂取の搬送者に関する初の疫学調査。122人は吐き気や意識障害、錯乱などの症状で搬送された。
死亡例はなかった。
男性25人で女性97人。
年代は20代の50人(41・0%)、10代の43人(35・2%)が多かった。
使われた市販薬は189品目で、内訳は解熱鎮剤47(24・9%)、せき止め35(18・5%)、かぜ薬34(18・0%)など。
入手経路は実店舗での購入が6割を超えていた。
摂取理由(複数回答)は、死のうとしたなどの 「自傷・自殺」が97件(74・0%)だった。
現実逃避やストレス発散の手段にしたケースもみられた。
患者の8割超が家族や恋人などと同居していたことから、上條氏は「一見、誰かがそばにいて孤立状態に見えない人でも、悩みを話せずに抱えているのではないか」と分析。
新型コロナウイルス流行も影響した可能性があるとして「入と話す機会が減り、孤独を感じる若者が増えたのではないか」としている。
何店舗も回って薬を買った患者がいたことから、店舗間での購入情報の共有や依存性成分を含む薬の規制強化などの対策が考えられるという。
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