法律で義務付けられている障害者の雇用率が今年4月に引き上げられた後、未達成の企業が6割に上ることが民間の調査で分かった。
積極的に採用したいと考えている企業も4割に満たなかった。
回答は中小企業が中心で、大企業に比べて受け皿づくりの厳しい現状が浮かんだ。
障書者雇用を巡っては、中央省庁や自治体による水増し問題が発覚し、企業からは不信感も出ている。
法定率を引き上げるだけでなく、実効性のある対策が官民ともに求められそうだ。
調査は人材サービス会社「エンージャパン」が8~9月、従業員50人以上の企業にインターネットで実施。
中小を中心に408社が回答した。
障害者の「法定雇用率」は企業では4月に2・0%から2・2%に引き上げられたが、達成は39%にとどまり、61%が未達成。
29%はそもそも障害者を雇用していなかった。
今後「雇用したい」との回答は「積極的に」「法定率に合わせて」で計35%だった。
エンージャパンの担当者は「法定率の引き上げに実際の状況が追いついていない。 現場では障害者の奪い合いも起きている」と説明。
「中小企業に比べ受け入れ姿勢に余裕がなく、障害者に適した業務がないことや、社員の理解不足に悩んでいる」という。
自由回答では、中央省庁の雇用水増し問題に「未達成の企業には(事実上の)罰金を科すのに、自ら違反した場合はどうするのか」と厳しい意見が相次ぎ、法定率自体にも「業種によって雇用の難易度が違うので、傾斜が必要」と疑問の声があった。
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