中国の習国家主席がロシアのプーチン大統領と3月20~21日に行った会談で、北方四島の領有権問題について「(どちらか一方の)立場を取らない」と表明していたことが分かった。
中国関係筋が4月3日までに明らかにした。
中国は1964年に最高指導者だった毛沢東が北方四島は日本領だと明言して以降、その認識を崩していなかったが、ロシア側に歩み寄り、中立の立場に変更した。
昨年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻で、北方領土問題解決を含む日口間の平和条約締結交渉は中断。
中国の立場変更を受けてロシアが自信を深め、対日姿勢をさらに硬化させることは確実で、領土返還交渉はいっそう困難になった。
同筋によると、プーチン氏が中口首脳会談で、昨年3月にロシアが北方四島に設置した免税特区の活性化が重要だと指摘。
3月16日の岸田首相と韓国の尹大統領による首脳会談で日韓関係が改善したため、韓国企業による投資は望めないとの認識を示し、中国企業の投資を要請した。
これに対し、習氏は領有権問題については「立場を取らない」と表明した。
特区への投資に参加するかどうかは、経済政策を担う国家発展改革委員会の鄭主任に検討させるとのみ述べ、明確な回答は避けたという。
北方四島の領有権問題について、中国は1964年7月、共産党主席だった毛沢東が日本からの社会党訪中団に対し「皆さんに返還すべきだと思います」と述べ、日本の領土だと明言した。
中国政府は最近は公言することはないが、この立場を維持。
中国国内の地図には北方四島に「ロシアが占拠」とのただし書きが書かれ、千島列島のウルップ島と択捉島との間に日口の国境線が引かれている。
ロシアは昨年3月、北方四島に外国の投資を呼び込むため免税特区を創設する法整備を行い、中韓の企業に対し投資を呼びかけてきた。
日本政府は特区設置に「遺憾」の意を表明している。
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