昨年、中国を訪れた日本人観光客が前年比35%減の51万人だったことが、中国国家旅行局の統計で明らかになった。
沖縄県・尖閣諸島の問題をめぐる日中関係の悪化や中国国内の大気汚染の深刻化などが影響したとみられる。
ビジネスなども含めた日本人の中国入国者も、前年比18%減の287万人となった。
日本人の中国入国者は昨年10月からは増加に転じたが、10月で前年同月比8%増にとどまるなど回復基調にのっていない。
中国への日本人観光客は2006年に183万人に達したが、2011年には100万人を切るなど減少が続いている。
世界各国からの中国入国者は同3%減の2629万人だった。
一方、日本人が中国旅行を敬遠するのとは対照的に、日本を観光などで訪れる中国人の数は急速に回復しており、日中間の温度差が際立つ形になっている。
日本政府観光局によると、観光やビジネスなどで日本を訪れた中国人は131万人で前年比7.8%減。
関係悪化の影響を受けたが過去3番目に多かった。
ほとぼりが冷めたとみられる昨年9月からは急速に回復。
今年の旧正月休み、中国本土で人気の海外旅行先となったのが日本だ。
1月に日本を訪問した中国人観光客はツアー客が7万9000人、個人旅行客が3万人。
安倍首相就任以来の最高記録を更新し、前年比10倍という数字となった。
目立つのは自由な観光ができる富裕層が中心の個人観光だ。
「大多数の中国人は政治問題を気にしない」というのではなく、政治的緊張よりも自分達の楽しみを優先し、たんに旅行したいという国民なのだろう。
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