林外相は4月22日の閣議で2022年版外交青書を報告した。
北方領土について「日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている」と明記。
「不法占拠」は2003年版以来、「日本固有の領土」は2011年版以来の表現が復活した。
ロシアのウクライナ侵攻を「冷戦後の世界秩序を脅かす、歴史の大転機」と位置付けた。
軍事活動を拡大させる中国について「日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念」を表明した。
ロシアの侵攻を「アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙」と非難。
「事態の展開次第では世界も日本も戦後最大の危機を迎える」と警鐘を鳴らした。
同時に「国際社会の選択と行動が、今後の国際秩序のすう勢を決定づける。
各国と協調した制裁措置を通じ、ロシアに高い代償が伴うことを示していく」と決意を示した。
2021年版の「ロシアとの関係を重視する」との記述は削除。
北方領土交渉は「展望を語れる状況にはない」と記した。
国際情勢に関しては「米国が主導力を発揮して国際社会の安定と繁栄を支える時代から、米中競争、国家間競争の時代に本格的に突入した」と初めて記載。
中国などを念頭に「新興国が力を蓄え、存在感を増している」として、米国の国力が相対的に低下しているとの認識を示した。
台湾情勢を巡り「中国が軍事刀の強化を急速に進める中、中台の軍事バランスは中国側に有利な方向に変化している」と指摘した。
北朝鮮の核・ミサイル問題では「2022年に入ってから極めて高い頻度で、新たな様態でのミサイル発射を繰り返しており、断じて容認できない」と批判した。
韓国との関係を巡り、島根県・竹島を「明らかに日本固有の領土」と重ねて位置付けた。
岸田政権発足後、外交青書発行は初めて。
ロシアのペスコフ大統領報道官は4月22日、日本がロシアに引き渡しを求めている北方領土について「4島はロシアの固有の領土だ」と述べた。
ロシア通信などが伝えた。
日口の平和条約締結交渉を念頭に「日本はロシアの非友好国になったため、交渉の継続は非常に難しくなっている」とも指摘した。
ベスコフ氏は、日本の2022年版の外交青書に対する質問に答えた。
まったく返す気のない4島については、毅然とした姿勢で対応してほしい。
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