大韓航空の趙前副社長が、乗務員によるナッツ提供の仕方に腹を立て、サービス責任者に降りるよう命じ、飛行機を引き返させた問題で、大韓航空側が趙氏をかばうため、この責任者に当局の調査で偽証するよう強要した疑惑が浮上した。
事実なら、同社のさらなるイメージ失墜は必至だ。
責任者は12月12日、KBSテレビのインタビューで当時の状況を証言。
趙氏が責任者と女性乗務員をひざまずかせ、侮辱する言葉を浴びせた上、マニュアルの入ったケースの角で何回も責任者の手をたたき、負傷したと主張した。
趙氏は機長室の入り口まで責任者を押しやり、「すぐに飛行機を止めなさい。 出発できないようにしてやる」とすごんだという。
しかし、責任者が帰国した後、大韓航空社員5~6人が連日自宅を訪ね、「責任者がマニュアルを熟知していなかったために趙氏が怒ったが、侮辱するような言葉はなく、自ら飛行機を降りた」と証言するよう要求したとされる。
韓国メディアによると、趙氏は12月12日、国土交通省の調査後、記者団に「初めて聞く話だ」と述べ、疑惑を否定した。
AP通信は12月11日、大韓航空の趙前副社長が機内サービスに激怒し、機体を引き返させた問題が世界中の批判を浴びる中、同社を傘下に持つ財閥一族による不祥事はこれが初めてではないと報じた。
今回、大韓航空機を引き返させたことで批判を浴びた趙副社長は、同社を抱える韓進グループの趙亮鎬会長の長女。
有名な整形外科医と結婚した趙前副社長は、生まれてくる子供たちが米国の国籍を取得できるようにと、2013年にハワイで双子の男児を出産した。
出産予定日の2カ月前に米国に入国したという。
この行動は2人の息子を韓国の兵役から逃れさせるためだったとして、韓国国内で非難を浴びた。
また、趙前副社長の弟の源泰氏は2005年に、源泰氏の無謀な車の運転を咎めた高齢の女性を押し倒した疑いで警察から取り調べを受けたという。
韓国では財閥一族は国の近代化と経済成長に貢献した存在としてかつては敬意を払われていたが、現在では虚飾に満ちた裕福さと絶大な権力が批判の対象となっている。
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