環太平洋連携協定(TPP)で対日交渉を担当した米通商代表部(USTR)の前次席代表代行、ウェンディ・カトラー氏は10月13日、TPP発効に不可欠な米国内手続きが「オバマ政権下で終わるとは思わない」と述べた。
議会が年内にTPPを承認しても、手続きの一部は次期政権に持ち越されるとの見通しを示した。
共同通信の取材に応じた。
米大統領選候補の民主党クリントン氏と共和党トランプ氏はいずれもTPPに反対している。
国内手続きの遅れは、議会が承認したTPPを棚上げする余地を次期大統領に与えることになりかねず、発効への波乱要因になる可能性がある。
米国で昨年6月に成立した貿易促進権限(TPA)法は、大統領は議会のTPP承認後、参加各国が協定の確実な実行に必要な法整備などの措置を取っていることを確認し、議会に通知しなければならないと定めた。
この確認手続きについて、カトラー氏は「米国の国内手続きの非常に重要な一部だ」と強調。
一方で、手続きは「一般的に時間がかかる」と話した。
次期大統領が各国の法整備を不十分と判断して追加措置を求めたり、確認手続きを進めなかったりする可能性に関しては「コメントしない。 年内に議会がTPPを承認した場合、次期政権下で速やかに手続きが進むと考えている」と述べた。
TPP発効は、経済規模が大きい日米の国内手続きの完了が条件となっている。
カトラー氏は日本の国会がTPPを承認すれば「米国を含む他の11力国の国内手続きに大きな弾みがつく」と期待を示した。
米共和党の実力者ライアン下院議長はTPPの再交渉を求めているが、カトラー氏は「再交渉せずに問題は解決できる」と強調。
「議会が年内に承認する望みはある」と語った。
しかし、TPPは米国のせいで漂流する可能性は大きい。
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