厚生労働省は10月28日、加齢による「卵子の老化」や子宮筋腫など、一般的な不妊治療の効果が出つらい「難治性不妊」について、医療従事者や支援員ら向けの初めての統一相談指針を策定する方針を固めた。
医師らの知識にばらつきがあり、必要な治療が遅れることが問題となっているため。
当事者の相談対応の際に医師らが活用し、適切なアドバイスや治療につなげる狙い。
まずは指針作成に向け、本年度中に医療機関での治療実態の委託調査に着手する。
人工授精や体外受精など一般的な治療法を繰り返しても妊娠せず、手術や投薬が必要になることもあることから「難治性不妊」と呼ばれる。
患者の総数などは分かっていない。
妊娠に至らない女性側の原因としては、子宮筋腫や内膜症などの合併症、子宮内膜ポリープといった病気のほか、年齢を重ねて卵子の質が低下し、妊娠率が下がることなどが指摘される。
全国の自治体に設置されている不妊専門相談センターでも、在籍する医師・助産師らの情報量に差があり、当事者が十分な助言を受けられず、治療が遅れることなどが課題となっている。
新たな医療技術の中には有効性などがはっきりしないものもあり、医師らが正しい助言をできない恐れもあった。
このため厚労省は、難治性不妊の診断や治療の有効性に関する調査を委託事業で行うことにした。
年度内に難治性不妊の治療をしている医療機関の診察実態や最新の治療法の有効性などを調べる。
調査結果は、専門相談センターの医師らに向けた統一指針としてまとめる。
当事者に最新の情報提供を行えるようにし、早期の治療につなげる。
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