日米両政府が2015年改定の日米防衛協力指針(ガイドライン)に基づき、自衛隊と米軍による初の対中国共同作戦計画の策定作業を進めていることが11月3日、分かった。
沖縄県・尖閣諸島での有事を想定し、来年3月までの取りまとめを目指すが、計画内容に関する調整が難航する可能性もある。
2016年3月に施行した安全保障関連法の新任務も盛り込むとみられる。
軍拡を続ける中国に対抗し、一体化を加速させる日米の実態が一層鮮明になった。
日米は米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用を確認している。
ただ、米国は他国の領有権問題への関与には慎重で、5条適用は尖閣が日本の施政下にある場合としている。
改定ガイドラインでも、米軍は島しょ部を含む日本への武力攻撃発生時、自衛隊の支援・舗匹の役割にとどまる。
このため、日本は中国との軍事衝突の対処方法を策定することで、米国をより積極的な形で尖閣問題に引き込む狙いがあるとみられる。
政府関係者によると、策定中の作戦計画では、中国の武装漁民が尖閣に上陸し、警察では対応しきれなくなったため自衛隊が出動。
その後、中国が軍隊を派遣し、自衛隊に武力行使の前提となる「防衛出動」が発令されるなどの想定をまとめる方針だ。
尖閣有事の想定は、自衛隊が独自に検討してきたが、今回の作戦計画では米軍の打撃力をどう組み入れるかが焦点となる。
自衛隊が米軍を守る「武器等防護」などの安保法の新任務を盛り込むことも検討する。
作戦計画の策定は、改定ガイドラインで新設された「共同計画策定メカニズム」(BPM)を中心に進められている。
自衛隊と米軍の作戦計画には、既に朝鮮半島有事を想定したものなどがある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます