
2月8日、9日の週末、北区滝野川の「旧醸造試験所第一工場(通称 赤レンガ酒造工場)で「晴レの酒、花の宴。」という日本酒イベントが行われた。普段入ることができない重要文化財が開放され、お酒が試飲できるという。また、小野リサさんのボサノバライブやダイアン吉日さんの落語などがプログラムに組み込まれるなど、なんだか楽しそうな雰囲気。ちょっと出かけてみた。
だが、期待が大きかったせいか。内容は極めて詰まらないものだった。ショボかったと言っていい。最も幻滅したのは、このようなイベントにありがちなオペレーションの不手際である。行列を作っている列が何に対して並んでいるか分からず、とりあえず並んでみると、それは試飲の列ではなく、プロジェクションマッピングのそれだったりする。もう並んでしまったからと、とりあえずプロジェクションマッピングを見るかと暫く並び、ようやく順番が来て、眺めてみたが正直ショボかった。
その後、試飲の列に並び直し、また延々と順番を待つ。正直、もうどうでもよくなった。
唯一試飲したのが、これ。澤乃井酒造さんの純米酒吟醸、「東京蔵人」。燗をつけてもらいぬる燗で。うまいな。お米の味が口の中で花開く感じ。
イベントにはチーズと日本酒のマリアージュが一つのテーマになっていたようだ。実際、専門家を招いた講座とともにお酒の試飲と合わせた、チーズの即売もあった。だからチーズと一緒にお酒を楽しめるのだろうと想像していたが、オープン50分後に入館すると、すでにチーズは売り切れ。これは致し方ないが、そう言いながらもチーズの準備を並ぶ列の真横で行っている。これはどういうわけか。尋ねてみると目の前で用意されているチーズのアンサンブルは12時から販売開始だという。つまり、今並んでいる人は、貧乏くじを引かされた感じがする。
お酒の試飲もよく分からなかった。世界酒造ランキングで4位にランクされたという外池酒造と泡盛メーカーの2社しか出展していなかった。もしかすると大半の酒蔵は上野に集結していたのではないだろうか。並んでいてなんだか馬鹿馬鹿しくなったので、列を離れた。
入場無料だから、何も文句はいえない。しかも、重文の建物に入れただけでも貴重な機会だった。でも、この会の「日本の醸造技術の歴史を知ってもらうとともに、日本酒を楽しんでもらう」という目的を達成したかといえば疑問が残る。いや、自分以外の人が楽しんでいればもちろん大成功だ。けれど、自分は正直不満いっぱいのイベントだったと言わざるを得ないし、「晴レの酒、花の宴。」というイベント名が霞んで見えない内容だったと感じる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます