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「正木理容」を出て、そろそろ腹にたまるものでも食べるかと秋田市民市場に向かった。何しろ、酒場は2軒行ったが、そこで食べたものといえば「いぶりがっこ」と駄菓子のみ。ご飯ものを食べてフィニッシュしたい。秋田市民市場は歩いて数分だった。食堂はまだ営っていて、店頭のショーウィンドウでサンプルを見ながら、何を食べようか考え、ようやく決まったところで、いざお店に入ろうとしたら、何かのサークルか部活か、若いジャージの子らがぞろぞろ現れた。おおよそ15人はいる。きっと厨房はこの子らのオーダーでてんてこ舞いするだろう。自分はドアボーイになって、彼らにドアをあけてやり、「どうぞ」と言ってその場を離れた。
さて、またもや行き先がない。
そうだ、今度は駅の向こう側に行ってみっか。
駅の反対側は住宅街だった。駅を挟んで対岸の様相が対極にある街はよくある。けれど、こんなに極端に違う街ははじめてだった。
駅を降りて少し歩くと店が2軒見えた。まず手前側から見てみるか。
「ドジャース食堂」。
すごいネーミングである。食堂という古めかしい名詞に対し、片仮名を冠した店名はある意味前衛的だ。
食堂か。まさに望むところ。
お店に入ってみた。
ドアを開けるといきなり食券機。
ラーメンあり、カレーあり、定食あり。しかも一品一品が安い。日替わりの「A定食」500円が全てを物語る。
お、お酒もあるじゃん。
瓶ビール600円。「酎ハイ」、「清酒」ともに320円。おつまみは220円から。これはいい!
まずは「酎ハイ」と、「おつまみ」220円チケットを購入。おつまみを「焼き鳥」に決めて、食堂の窓口に申請した。
すると、食堂のオヤジさんからこう言われた。
「もう少しでラストオーダーだけど、これだけでいいの?」
え? まだ19:30前なのに。もうラストオーダーだって?
自分のプランとしては何杯か酒を飲んでから〆の飯にしようと思っていた。
「ちょっともう少し買います」とオヤジさんに言って、券売機に戻った。まずは酒の確保。「清酒」を追加し、〆を検討した。けれどなかなか決められない。
どうすっかな。
忙しなく食べるのもなんだなという気持ちが沸々と湧き上がってきた。駅東口のもう一軒は確か鮨屋だった。そこで〆ればいいか。
そう思って、食券の追加は「清酒」だけに留めた。
店内は質素だった。そのうえ、やけに広い。
酒を確保し、席に着く。「清酒」(右側)のチェイサーが「酎ハイ」(左)。
閉店間際でお客さんは少ない。
街に一軒、こういう食堂があると助かるな。
恐らく、店は20時閉店だろう。忙しなく酒を飲んだ。焼き鳥は格別おいしい訳ではなかったが、これで千円しないのだから、大満足。
さて、もう一軒行くか。
変わった店3連発か~??
次回、大どんでん返しが待っています。