電話してみようかなって思った。
何度も何度もそう思いながら、ボクは夜の栄を歩いていた。
あなたの痕跡を探し出し、感じられればそれだけでいい。だから、夜も遅くなり、気だるい体をようやく起こして、ボクは街に出た。
栄の賑やかな街を滅茶苦茶に歩く。あなたが出したショップとはどこにあるのだろうか。賑やかな街をボクは一人探している。
ふと見たことのあるカレーショップを通り過ぎた。
それは、あなたがfacebookに載せた店だった。
プリンセス通りのアーチ。
圧倒的なスケールでボクをこの街が襲う。
どれくらい歩いただろうか。少し歩き疲れた。どこかでビールでも飲もうか。
ACミランのオフィシャルショップをのぞき込む。ビールを飲ませてくれそうだが、ボクはミラニスタではないし。
なんか、弱気になりそうになって、ボクは近くにあった店に駆け込んだ。
だが、店は騒がしく、席に着いて店員がおしぼりを持ってきたところでばからしくなり店を出た。
勢いよく店を出ると、人がぶつかってきた。ボクもその人もよろけたが、彼がいきなりつかみかからんばかりに凄んでくると、「なんだよ」ってボクはつぶやき、彼は同僚たちになだめられ、こともなく終わった。
とにかく惨めだった。
ふと立ち飲み屋を見つけた。
この街にもこんな東京の立ち飲み屋みたいな店があるのだと思った。
中に入ると、まるっきり東京のような俗っぽさだった。
「ホッピー」という文字も見える。
まさか、名古屋人がそれを好んで飲むとも思えないが、とにかくその麦芽飲料は置いていた。
生ビールを頼んだ。
ボクは夢中になって「一番搾り」を一気に飲んだ。
9月に入ったとはいえ、まだまだ暑かった。
ボクの中のRock’n Roll。
少しざわめくようにギターソロが聞こえ始めた。
ちょっと油断すると、すぐに弱気になりそうで。ちょっと息をつくと、その場に倒れてしまうような感覚になった。ボクはずっとこの恐怖と向かいあっていかなければならないのだと思った。
「土手焼き」を食べてみた。名古屋の八丁味噌。
今日口に入れる初めての固形物。
でも、その後、どうやってホテルまで帰ったのか、覚えていない。
終電がなくなって、気が付けば、ボクは長者町という繊維の問屋がひしめく街を歩いていた。
あなたを育んだ街。
弱気になりそうな心。
ボクの中にある相反するもの。
どちらに転ぶか、その時の気持ち次第。
うつむいているわけじゃない。
ちぎれそうになっているその夜空を今は観たくないだけ。
何度も何度もそう思いながら、ボクは夜の栄を歩いていた。
あなたの痕跡を探し出し、感じられればそれだけでいい。だから、夜も遅くなり、気だるい体をようやく起こして、ボクは街に出た。
栄の賑やかな街を滅茶苦茶に歩く。あなたが出したショップとはどこにあるのだろうか。賑やかな街をボクは一人探している。
ふと見たことのあるカレーショップを通り過ぎた。
それは、あなたがfacebookに載せた店だった。
プリンセス通りのアーチ。
圧倒的なスケールでボクをこの街が襲う。
どれくらい歩いただろうか。少し歩き疲れた。どこかでビールでも飲もうか。
ACミランのオフィシャルショップをのぞき込む。ビールを飲ませてくれそうだが、ボクはミラニスタではないし。
なんか、弱気になりそうになって、ボクは近くにあった店に駆け込んだ。
だが、店は騒がしく、席に着いて店員がおしぼりを持ってきたところでばからしくなり店を出た。
勢いよく店を出ると、人がぶつかってきた。ボクもその人もよろけたが、彼がいきなりつかみかからんばかりに凄んでくると、「なんだよ」ってボクはつぶやき、彼は同僚たちになだめられ、こともなく終わった。
とにかく惨めだった。
ふと立ち飲み屋を見つけた。
この街にもこんな東京の立ち飲み屋みたいな店があるのだと思った。
中に入ると、まるっきり東京のような俗っぽさだった。
「ホッピー」という文字も見える。
まさか、名古屋人がそれを好んで飲むとも思えないが、とにかくその麦芽飲料は置いていた。
生ビールを頼んだ。
ボクは夢中になって「一番搾り」を一気に飲んだ。
9月に入ったとはいえ、まだまだ暑かった。
ボクの中のRock’n Roll。
少しざわめくようにギターソロが聞こえ始めた。
ちょっと油断すると、すぐに弱気になりそうで。ちょっと息をつくと、その場に倒れてしまうような感覚になった。ボクはずっとこの恐怖と向かいあっていかなければならないのだと思った。
「土手焼き」を食べてみた。名古屋の八丁味噌。
今日口に入れる初めての固形物。
でも、その後、どうやってホテルまで帰ったのか、覚えていない。
終電がなくなって、気が付けば、ボクは長者町という繊維の問屋がひしめく街を歩いていた。
あなたを育んだ街。
弱気になりそうな心。
ボクの中にある相反するもの。
どちらに転ぶか、その時の気持ち次第。
うつむいているわけじゃない。
ちぎれそうになっているその夜空を今は観たくないだけ。
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