古巣のY編集長と蒲田で会うことになった。かなりシリアスな話しで。
「新橋ならお酒提供している店、すぐに見つかると思うけど」と編集長に提案したが、彼は、「西口のロータリー前に最近出来た立ち飲み屋、営っていますよ」という。蒲田にそんな立ち飲み、あったっけ?と思い返してみるが、心当たりがない。行ってみると、確かに店はあったが、基本的にテイクアウトで、立ち飲みはついでみたいな体裁。しかも、その立ち飲みスペースは見事に営っていなかった。
さて店を探すか。西口の目黒線高架沿いからスタート。なるほど、確かにお店は営っていない。
「銀だこハイボール酒場」はテイクアウトのみ。その先に進むと、ほとんどシャッターが降りている。少し行くと、「鳥薪」がオープンしていた。昔京急蒲田の店舗に一度行ったことがある。日曜日の昼飲みに適したお店だが、既にもう店はない。もう少し、探検してみるか。
その先には、、「豚番長」。立ち飲みである。この店は以前から知っていた。店頭では数人の男が琥珀色した泡の飲みものを飲んでいる。不思議なことに、店内には客が一人もいない。店に入って、店主、マンモス西に尋ねた。
「お酒飲めますか」。
「お酒提供していません」。
マンモス西は冷たく言った。
ならば、店頭で飲んでいる人の飲みものは何だろうか。ノンアルのビールもどきか?それとも店外で勝手に飲っているのか。多分、表で飲んでいるのは常連さんだろう。これならいくらでも言い訳できるさ。飲んでいるのは店の外だし。路上飲みだよと。
西口ロータリーに戻って、店を探す。
「大西」という店がやたらと賑わっていた。その店の前には「魚椿」。おや、いつの間にか、名古屋のナンバーワン立ち飲みが、東京に進出していたか。けれど、その「魚椿」はしっかり休業。その「大西」という店に、「酒は飲めるか」と聞いた。すると、若い女性店員は「OK」という。だが、狭い店内は既に満席。空いているのは、店外にあるビニールハウスのような小屋だった。そのビニールハウス、最大6人くらい座れる造りである。だが、自分ら2人客で独占していいものか。店員に聞くと、「OK」という。とりあえず、そこにポジショニングした。そして、Yちゃんの到着を待つ。
しかし、このスペースほ予想以上に風当たりが強かった。道行く人が必ず、店ナイを珍しそうに眺め、見て行く。
「この店、酒出してんじゃん」。そして、次にお店の前に設置されたビニールの小屋に目をとめる。そして、必ず自分と目が合うのだ。
通行人の大多数はそんな感じ。けれど、女性の通行人は違った。蔑むような視線で、自分を眺めていく。
Yちゃんは自分の着席後10分程度で合流した。開口一番、「まさか、このテントの席に座るとは思っていなかった」と。この後自分とYちゃんは楽しく飲んだ。「生ビール」を飲み、もつ焼きを食べて。そして意外にも、この店のもつ焼きがおいしく大いに驚いた。
トータル的にはいいお店だった。禁酒下の中の飲酒。だからこそ、より酒が旨かったともいえる。でも、見世物小屋みたいなテントはもうこりごりだ。
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