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居酒屋放浪記NO.0006 コの字型カウンターでワカサギ唐揚げに咽ぶ「赤瓢箪」(中野区中野)

2005-02-13 21:09:46 | 居酒屋さすらい ◆東京都内
  2月上旬。東京の昭島で仕事を終え、中央線に乗って家路に。中野から地下鉄に乗り換えようと電車を降りた。なんとなく「ちょっと降りてみようかな」という気になり、改札をくぐってみた。知らない町を散策するのは実に楽しいものだ。だが、そのとき私はそんなに中野にたいした期待を持っていなかった。北口のアーケードをぶらぶらして帰ろうと思っていた程度である。商店街は活気に満ちてはいたが、特に気をひくような店はなかった。「おや?」と足を止めたのは何気なしに見たアーケードの横丁に面白そうな飲み屋を見つけたときだ。その横丁に足を踏み入れると、その先にも居酒屋らしい店が続く。その小路をどんどんと分け入り、足を進めていくと商店街と並行に走る狭い通りに出た。私は息を飲んだ。なんとそこは多くの居酒屋がひしめく飲み屋街だったからだ。延々と続くのではないかと思われる長い通りにずらりと並ぶ飲み屋の暖簾。品定めをしながらよさそうな居酒屋を物色していくと、ひっきりなしにお客が出入りする店を発見した。「入ってみようか」という気なった。店の名前は「赤瓢箪」。うんうん、悪くない。ガラリと戸を開けると目の前はコの字型のカウンター。まだ17時半を過ぎたばかりなのに、既にカウンターには客が腰掛け、それぞれが思い思いに酒を飲んでいる。カウンターに座る客は全て一人で飲んでおり、スポーツ新聞に目を遣りながら酎ハイを飲む者や、テレビの国会中継に眉間の皺を刻んで瓶ビールを煽るおっさんなど。それぞれのスタイルで一杯やっている。思った通りの店で安心した。
  私は生ビールの大ジョッキに白子のポン酢和えを注文。無愛想なおばちゃん店員が伝票を書き込む。白子のポン酢和えだなんて頗る嬉しい。メニューを覗くと、菜の花のおひたしやワカサギのから揚げなどなど。大衆の居酒屋の匂いが色濃く漂う。生ビールをぐびっと飲む。白子のポン酢が運ばれてきた。もみじおろしがこりゃまた嬉しい。なんともたまらんうまさだ。
  「当たりだな」。この店に入った幸運を偶然の神に感謝する。続いてワカサギの唐揚げを注文。季節の料理に期待は膨らむ。そういえばちょうど10年前だ。榛名湖に穴釣りに行ったあの寒い寒い1日は。湖面にドリルで穴を開け、早朝から垂らした竿に釣果はなく、坊主で帰った釣宿屋で「今日は皆さん調子悪いみたいですよ」と慰めてもらったっけ。こたつで暖をとりながら、ワカサギの唐揚げ丼を食べたんだよなあ。などとワカサギの思い出に浸っているうち、来ました、来ました唐揚げが。なんといっても熱々を食べにゃ意味がないんですよ、唐揚げは。ハフハフしながらワカサギにかぶりつく!!「うまいんだな、これが!!」と懐かしの和久井映見になり、大ジョッキを片手に豪快にブハっといけば、もはや何も言うことなし、だ。そうこうする間に客はひっきりなしに入ってくる。まだ18時を過ぎたばかりなのに気がつけば店内はもういっぱい。しかも一人で来る客が圧倒的だ。ビール大に白子ポン酢、そしてワカサギで1100円也。大満足で店を出ようと立ち上がると斜め向かいの客に目がいった。未だにテレビの国会中継を凝視しながら、酎ハイを飲む。郵政民営化法案に彼の眉間の皺は更に深くなる一方だ。

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1 コメント

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Unknown (一球入魂)
2005-02-17 22:51:41
今日は野球じゃない方にもコメントします(笑)

熊猫刑事さんの書く居酒屋の文章はうまいですねえ。

店の回し者かと思ってしまうくらいです。

僕はまだ一人で街の居酒屋に…なんてしたことないですけど、そろそろ大人の飲み方もしてみましょうかねえ。

白子のポン酢和えとビール!うまいにきまってますね。
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