ローコスト経営球団必読の書「マネーボール」を実践するもう一つのプロ野球球団が中日ドラゴンズではないかと踏んでいる。
讀賣から川合昌弘、横浜からドミンゴを補強した以外は現有戦力で臨んだ昨季だったが、「今の戦力で充分勝てる」と落合博満監督が豪語したように、派手さはないが、底力を見せ付けてペナントを制覇した。
落合監督が標榜したモットーは「特技を持つ」ことであった。守備、走塁、バッティングなどなど、それぞれのエキスパートを目指せ、という号令にチームは見事な結束を見せる。「選手がそれぞれあと10%の力を出せば勝てる」といった言葉もまさにその特技を磨くことを示唆していたのではなかろうか。
特に「守備」だ。シーズン通しての失策は僅か45個。それまでヤクルトが00年に記録した46個を更新しリーグ最小記録。その中心は二遊間を守る荒木、井端両選手だ。落合監督の真骨頂はこの二人1,2番に起用しただけでなく、一昨年まで8番を打っていた荒木をトップバッターに固定した点だろう。何故、03年シーズンの打率が.237の荒木を先頭打者に起用したのだろうか。何故、トップバッターに定着していた井端を2番に据えたのだろうか。荒木の出塁率.283に対して井端のそれは.319だったにもかかわらずに、だ。
答えは「盗塁」の数ではなかったか。荒木の03年シーズンの盗塁は16。それに対して井端は5個だった。ちなみに同シーズンの出塁率リーグナンバーワンの福留の盗塁は10個で、やはり荒木に及ばない。とにかく24通りも1,2番の組み合わせを試した一昨年と同じようでは安定した戦いなどできない。まず、1,2番コンビの固定が落合監督の命題だったのだ。落合監督のいう「10%の力を出せ」とは「とにかく出塁せよ」という意味と解釈できないだろうか。例えば昨季のレギュラー選手で出塁率を下げたのは4番を打った福留孝介と正捕手谷繁元信の二人。逆にリーグ平均(.335)を上回ったのはアレックス、井上、井端、立浪、福留、渡邉の6人もいる。また、出塁率重視を象徴する試合があった。9月7日の讀賣戦。3-3の同点に追いついた直後、投手が右投手シコースキーであるにもかかわらず、落合監督が告げた代打は右バッターの高橋光。高橋は満塁から勝ち越し四球を選び逆転勝ちを演出した。試合後落合監督は代打に高橋をおくったことを「選球眼がいいからなんとかしてくれると思った」と語っている。
地味ではあったが、中日ドラゴンズがペナントを獲った裏側には打率より出塁率を重視する「マネーボール」の戦略があるような気がしてならない。
昨年のドラフト会議で指名した新人選手に高校生はおらず、大学生と社会人で占められていたのも「マネーボール」の実践が見え隠れする。
讀賣から川合昌弘、横浜からドミンゴを補強した以外は現有戦力で臨んだ昨季だったが、「今の戦力で充分勝てる」と落合博満監督が豪語したように、派手さはないが、底力を見せ付けてペナントを制覇した。
落合監督が標榜したモットーは「特技を持つ」ことであった。守備、走塁、バッティングなどなど、それぞれのエキスパートを目指せ、という号令にチームは見事な結束を見せる。「選手がそれぞれあと10%の力を出せば勝てる」といった言葉もまさにその特技を磨くことを示唆していたのではなかろうか。
特に「守備」だ。シーズン通しての失策は僅か45個。それまでヤクルトが00年に記録した46個を更新しリーグ最小記録。その中心は二遊間を守る荒木、井端両選手だ。落合監督の真骨頂はこの二人1,2番に起用しただけでなく、一昨年まで8番を打っていた荒木をトップバッターに固定した点だろう。何故、03年シーズンの打率が.237の荒木を先頭打者に起用したのだろうか。何故、トップバッターに定着していた井端を2番に据えたのだろうか。荒木の出塁率.283に対して井端のそれは.319だったにもかかわらずに、だ。
答えは「盗塁」の数ではなかったか。荒木の03年シーズンの盗塁は16。それに対して井端は5個だった。ちなみに同シーズンの出塁率リーグナンバーワンの福留の盗塁は10個で、やはり荒木に及ばない。とにかく24通りも1,2番の組み合わせを試した一昨年と同じようでは安定した戦いなどできない。まず、1,2番コンビの固定が落合監督の命題だったのだ。落合監督のいう「10%の力を出せ」とは「とにかく出塁せよ」という意味と解釈できないだろうか。例えば昨季のレギュラー選手で出塁率を下げたのは4番を打った福留孝介と正捕手谷繁元信の二人。逆にリーグ平均(.335)を上回ったのはアレックス、井上、井端、立浪、福留、渡邉の6人もいる。また、出塁率重視を象徴する試合があった。9月7日の讀賣戦。3-3の同点に追いついた直後、投手が右投手シコースキーであるにもかかわらず、落合監督が告げた代打は右バッターの高橋光。高橋は満塁から勝ち越し四球を選び逆転勝ちを演出した。試合後落合監督は代打に高橋をおくったことを「選球眼がいいからなんとかしてくれると思った」と語っている。
地味ではあったが、中日ドラゴンズがペナントを獲った裏側には打率より出塁率を重視する「マネーボール」の戦略があるような気がしてならない。
昨年のドラフト会議で指名した新人選手に高校生はおらず、大学生と社会人で占められていたのも「マネーボール」の実践が見え隠れする。
熊猫さんの力作ブログ早速読ませていただきました。
出塁率重視=アウトにならない野球をすると、試合がしまるんですよね。
僕の考えでは、落合監督は自分が天才だとわかっている人。それゆえに他の選手の打力の限界もわかっているのだと思います。だからこそ、大味になる一方の野球界で、打力以外のものをフルに使うことができたのではないでしょうか。
何でもできるスーパーマンが野球をするのではなく、一人一人が持ち場について一所懸命。やっぱり団体競技はこうでなければ!!
そうそう、確かマネボの世界では盗塁や守備力は考慮しないんですよね?まあでも、守備走塁の良いチームは大人っぽくてカッコいいですよね。
読みたいなあ、借りたいなあ。。