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御徒町のガード下の名物立ち飲み屋「市場」の突然の閉店から、次のテナント「浜焼太郎」と続き、更にその後釜として、入居したのが「I'ris」である。触れ込みはショットバー。開店は2011年4月のことであった。外観の色、つまりJRのガードの色を赤くして、ビールの銘柄の黄色の垂れ幕を準備するなど、かなり派手なオープンであった。
開店した直後はスタンドバーという形式をとってうたように思うが、日が経つにつれて、そのような文言は店の看板から消えていた。
熊猫は毎日、この店の前を通るのだが、経営状態は芳しくないようだった。
「市場」は常連がついていたから、店のレイアウトは関係なかったが、この店は間口が狭く店内が見渡しにくい。極めて難しい店舗である。
居抜きで入ると、かなり苦戦が予想される店なのだ。
ちなみにこの店の隣にあるラーメン屋さんは、わたしがこの街に来てからの6年で4回も店が変わっている。
さて「I'ris」の経営状況はみるみるうちに悪化していくのが分かり、夏頃になるともう虫の息のようになった。
これはもう末期症状だと思い、店を訪問した。
お店というものは中に入らなくても端から経営状況が分かるから不思議である、この店もなんとか客をひこうとなりふり構わずパンチを繰り出すが、これがもうブランドイメージのかけらもない場当たり的な策ばかりなのである。
そこで、もはや閉店前のダッチロールを繰り返すこの店に入ってみたのであった。
しかし、この雰囲気は異様だった。
店の内装は「市場」時代と変わらない。変わった点といえば、かつては店の中央の壁にあったテレビが入り口を除く3方の壁に据え付けられている点である。
どうやらスポーツバーの一面も目指していたのかもしれない。
3つのテレビは別々の放送を流していた。
1つは欧州のサッカー、もうひとつはリアルタイムで放映されている夕方のニュース。そしてもうひとつが尾崎豊の「早すぎる伝説」である。
なんだか不思議な気分で、わたしは店の前に立ち、生ビールを注文したのだった。
サントリー「モルツプレミアム」(450円)。
つまみは串揚げ。この串揚げメニューも最近始めた付け焼刃メニューである。
そして、この串揚げが全てこの店を象徴していた。
一見カラリと揚がっているように見えるが、衣が堅い。そして、最大の問題は揚げ物が串からすぐに離れてしまうところである。
これにはおもいっきり幻滅したし、これでは客が入らないなと思った。しかも、ソースはそば猪口のようなものである。
全てが後手後手であった。
このまま、店を辞することも考えたが、ついついホッピーを頼んでしまう。もはやバーという面影はない。
あるのは、たたただ朽ち果てていく店である。
ちなみにわたしが訪れてから1週間後に店は閉店した。
現在は「赤えんま」という店が引き継いでいる。
入り口に厨房を配した構造は排気などが簡単なので安上がりでしょうが、これからあの店を使うなら全面改装し厨房も奥にして完璧なダクトを配して全くイメージを変える方がいいのでしょうね~
市場に代わるいい店が出来て欲しいものです。
「市場」、惜しい店ですね。
現在の「赤えんま」というお店も、客の入はかんばしくありません。
お店は抜本的に変える必要がありそうですね。