居酒屋さすらい 0542 - 不変のダウンサイジング - 「ごひいきに」（港区新橋）

2009年の立ち飲みアワードは新橋の「ごひいきに」であった。だだっ広いスペースをふんだんに使ったモダンな立ち飲みスペースは、当時の立ち飲み界の新星だったといえる。
その後、店が移転した話しをTwitterで聞いたが、実際に脚を運ぶ機会はなかった。
昨夏、ようやく訪問することができ、その店の狭さに少し驚いたものである。
かつての店舗の道を挟んですぐのビルの中、一見するとどこに店舗があるのか分からないほど、店は奥に構えられている。

全体的に木の温もりが伝わり、天井には酒樽のオブジェが電灯のようにつり下げられている。以前の店舗はやや暗がりだったが、現在の店舗はかなり明るい。
丸いテーブルが４～５脚。わたしはカウンターに陣取った。

何故、移転をしたのだろう。
かつての店舗は母企業の自社ビルだったという。利益率がどれほどよくなかったのだろうか。客単価は多くても2000円そこそこだろう。稼働率をどのように計算すればいいのか分からないが、群雄割拠の新橋にあって、相当大勢の客を集客しなければ、かつての広大なスペースを使う店舗の意味はないだろう。
結局、立ち飲みの損益分岐点はスタッフが２名程度でできるスペースに限られてくるということになるのだろう。

さて、移転した「ごひいきに」だが、相変わらずメニューの面白さは群を抜いていた。「ポテサラハムワッフル」（200円）。このアイデア料理はなかなかうまかった。
そして、朝採りの「野菜まるかじり」である。わたしはその中から「きゅうり」をチョイスした。野菜は一律120円。値段は、まぁこんなものだろう。
ビールはサッポロ。480円。

店舗の雰囲気はあまり変わらない。お店のスタッフが少なく、時々いなくなるので、オーダーのタイミングが難しいが、全体的には店の感じは悪くない。
果たして、「立ち飲みアワード」ホルダーの同店が2011年のアワードを獲得できるのか。注目である。