
年に2回ほど、「ちひろ美術館」に行く。
きな臭い空気に立ち向かうのは、どこまでも優しい眼差しのあの瞳だ。
ぽつんと描かれた子どもの瞳は、見るものの胸を打つ。その目は寡黙ではない。あえて言えば静寂な饒舌。
いさわきちひろが描く子どもは大人の心を射抜き、喝破する。
上井草駅の目の前にある立ち飲み屋、「まいど」。
ボクは前から気になっていた。だが、いつもタイミングが合わず、素通りしていた。
だが、今回ようやく店に入ることができた。
持ち帰りコーナーもある街の焼鳥屋だ。
店は満員だった。
僅かに空いている隙間にボクは入れてもらった。
驚いたのは若い客が意外にも多いことだった。20代と思しき男女が客の半分を占める。だから店は活気にあふれていた。
それもそのはず、生ビールは290円。
面白いのは「樽ハイ」という飲み物と「酎ハイ」が190円で併記されている点。「樽ハイ」とは恐らくアサヒが販売する「樽ハイ倶楽部」のことだろう。甘目の酎ハイ。
しかし、飲み物の安価さは特筆ものだ。
ここは「生ビール」からスタートしよう。
焼きものはほぼ110円。
まずは「煮込み」(210円)を頼み、時間のかかる焼きものをオーダー。
「ももネギ付き」というものがある。これは、ネギ間ではないのか。
もう一度言おう。
「ももネギ付き」とは、ネギ間ではないのか。
これを2本。「カシラ」を2本オーダー。
「煮込み」が出てきた。
モツはシロ。赤みそでじっくり煮込まれたのだろう。シロが褐色になっている。その上にドーンと豆腐が半丁。
これはすごい。
ボクはこの店を完全に侮っていた。
たいしたことのない店だろうとたかをくくっていたのだ。
だが、どうだろう。完全にボクはこの店に魅了されていた。
次に焼き物が出てきた。
果たして「ももネギ付き」とは、やはりネギマだった。しかし、何故ネギマと表記しないのだろうか。
だいいち言いにくいではないか。「ももネギ付き」だなんて。
どこか不格好な「ももネギ付き」。ネギともも肉が揃っていないのは初めから狙っているのか。
「生ビール」から「酎ハイ」に。
「酎ハイ」の量はタンブラーで。葛南地域にある立ち飲みチェーン「づめかん」より若干高いが、量換算ならいい勝負。
やるなぁ、この店。
結局「酎ハイ」を3杯飲み、店を出た。
これで会計は1,620円。
恐るべし、上井草の立ち飲み屋。
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