「ホッピー」が飲みたくて、「ひらお」を出た。行き先はあそこしかない。
「香港亭」。
ところが、お店の前まで行くと、案の定営っていない。まだ17時前だからか。
仕方ない。十条まで歩くか。
十条の「香港亭」はガラガラだった。一人客の女性とおっさん4人組。ところが、このおっさん4人組が極めて騒々しかった。
お客さんも少ないなら、店員さんも少なかった。いつもいるふくよかな女性店員はおらず、爺さんの店員がオーダーを聞きに来た。
「ホッピー白ください」。
「え?」
お店が騒がしいせいか、店員は聞き返した。
そして少し声を大きくして「ホッピー白」を再び告げた。
しかし、お店が騒々しい。
大阪弁の男たちのうち、ある人物が得意になって熱弁している。
「〇〇さん、昭和38年生まれですか? 若い」。
その〇〇さんは、褒められたものだから、テンションがあがり、さらにボルテージはあがる。
本当にうるさくて叶わない。この店を自分らだけの空間と思っているのだろうか。
「ホッピー」のおともに、「棒棒鶏」(380円)を選んで、店員に告げた。
すると、店員はまた、「え?」と聞き直した。
店内がうるさいせいか、それとも店員の耳が遠いのか。なんだか、楽しくなくなってきた。
東十条の「香港亭」では、「棒棒鶏」が自分の中の定番だ。何しろ安くてうまい。ボリュームもそうとなものだ。
ところが、出てきた「棒棒鶏」はごまだれだった。ちなみに東十条店はしょうゆだれである。
いや、ごまだれもきらいではない。ただ、あの甘さがちょっと苦手なだけだ。「冷やし中華」だって、ごまだれではいただかない。
うるさい集団は、飲酒とともにさらに声のトーンがあがった。
「若いですね」と言われた男がビールのうんちくについて話し始めたのだ。
はじめ、例によって、とある人物が、「〇〇さん、ビールはどこのメーカーが好きですか?」と尋ねたのがきっかけだった。
「アサヒですね」と答えたまではよかったが、その後に「クラフトビールのIPAが一番好きです」と付け加えた。
すると、一同は「何ですか? それ」となった。
〇〇さんは、得意になってIPAを説明した。
ただ、その説明にはなるほどと思った。IPAとは「India Pale Ale」の接頭語なのだが、何故インディアなのかとずっと思っていた。〇〇さんの説明によると、インドがイギリスの植民地だった頃、インドに滞在するイギリス人にペールエールを送る際、 海上輸送中にビールが傷まないよう、防腐剤の役割を持つホップを大量に投入したのが由来という。IPAはホップの味が強いのである。
なるほどね。
さて、騒々しい店内でうんざりしていたせいか、早いピッチで「中」を追加していたら、いつの間にか「ホッピー」もなくなりつつある。
さて、〆はどうするかなと考えてみる。「炒飯」にするか、「ラーメン」にするか。悩ましいところ。
結局、「ラーメン」(460円)にした。「炒飯」は600円台だから、要するにケチったのだ。そして、ケチった結果はやっぱりいい結果には繋がらない。「ラーメン」なのに、おいしくないのだ。
無化調なのか。旨みがない。塩味のスープに浸かった麺を食べている感じ。いや、460円なら充分かもしれない。ましてや、無化調なら健康を害することもない。でも、やっぱり味気ないのだ。
「香港亭」、やっぱお客さんが少ないのは、この結果だからか。ちょっと残念ではある。
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