居酒屋さすらい 0653 - THIS IS NOT ORIGINAL - 「ちょい飲み酒場 名駅西口本店」（名古屋市中村区椿町）

「世界の山ちゃん」を出て、しばらく名駅周辺を歩いた。
広小路通り東へ。
見たことのある風景だったし、もう何度も歩いてきた気がする。
錦通りも、桜通りも。
いつしかこの街をとてもよく知っているようになっているし、
この街がいまやとても好きになっていることに気が付く。

納屋橋まで行って折り返し、名駅に戻ることにした。
駅に差し掛かり、JRの陸橋を超えたところで、一軒の立ち飲み屋を発見した。
「おや珍しい」。
そう、名古屋の街中では、なかなかお目にかかれない立ち飲み屋。
眼前にあるのは「ちょい飲み酒場」というベタな名称のお店である。
まだ時間がある。入ってみることにした。

名古屋の文化は独特である。
どれをとってもオリジナルだし、どこにもそれは真似できない。それはありとあらゆるものにその文化の歴史を感じ取ることができる。
ある部分では洗練されているが、理解できないものも少なくない。

だが、このお店はその逆だった。
どこをとってもオリジナルのものは見られず、あらゆるものは模倣だった。

例えばメインメニューの串揚げ。
恐らく大阪をイメージしたのだろう。
ホッピーも用意しているのは東京スタイルである。
店舗もありふれていた。東京のベタベタな立ち飲み屋のようだった。
そもそも、店名も既にどこかで聞いた風である。

生ビールはスーパードライ。
「串揚げの５本セット」をいただく。

よくよく考えると、名古屋の立ち飲み屋はこれで３軒目の訪問となるが、いずれもぎこちなさが漂う。
接客、オペレーション、店舗の作り。
そして、お客も地元の人がいるようには見えない。
何故、名古屋の立ち飲み文化が育たないか。
あれほどにパチンコ屋が多いにも関わらず。

唯一気になったのはハイボール。
「明治」、「大正」、「昭和」とそれぞれ種類がある。
これは何だろう。
だが、注文する気にはなれず、店を出た。

さぁ、金時計へ。
気を取り直して。
金時計へ。