我が町は東京メトロの駅から10分圏内にあり、移動は大体が鉄道である。だが娘と息子が通った、通っている中学校は自宅から駅への道と反対方向に歩いたところにあり、辺鄙な場所に立つ巨大なマンションから登校する子が過半数を占めていた。そこで分かったのが、その辺鄙な場所の住民はバス文化が定着しており、遊びに行くエリアは足立区の西新井ということが分かった。同じ町内でも文化が違うのである。
西新井と言えば大師様。自分はまだ未踏の地だ。
実はかみさんがちょっとした用事で西新井に出かけ、その門前の名物となっている、草だんごを土産に買ってきたのだ。
草団子の「清水屋」は創業が元禄2年らしい。元禄っていってもピンとこない。西暦1689年。松尾芭蕉が奥の細道の旅に出た年だという。創業334年て、すごすぎないか。それだけでも注目に値する。
実は「清水屋」の目の前には、「中田屋」というやはり草だんごの店があり、両店がしのぎを削っているらしい。
草だんごはよもぎベース。その昔、お大師様がよもぎを煎じて、病人に飲ませると回復したという言い伝えから、参道の名物になったという。
で、かみさんが買ってきたのが、老舗の味だった。
だんごと餡はセパレートになっており、大胆にあんこをつけながらいただく。これが本当にうまい。素朴な味というか、日本の原風景というか。自分が過ごした千葉の片田舎にはよもぎがたくさん生えていた。小学生の頃、担任の先生に、よもぎの葉が食べられると聞いて、路上に生えている草をちぎって食べたが、苦かった。
「食べられないじゃん」と思った覚えがある。
ちなみに、お袋からも「どくだみは食べられる」と聞き、食べてみると、更に苦かった。昔、道草はほぼ食用というより、薬用だったのかもしれない。今、道草を食べるのが、ちょっとしたブームになっているという。昔、俳優の岡本信人さんの「道草を喰う」という本を買って真似をしたことがあるが、すぐさまやめた。道草は犬がおしっこをしている可能性があって、どうにも食べる気がしなくなった。
おっ、と話しがそれた。
よもぎの草だんご。「清水屋」の江戸時代のスイーツ。
あ、今日は釈尊のお誕生日、花祭りだったか。
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