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え?こんなとこに立ち飲みが?
新橋は、隅から隅まで歩いたはずだった。新設店ならまだしも、目の前の店は、どう見ても新店じゃない。うっかり見逃してたか。場所は、新橋駅烏森口脇のトンネルをくぐったところ。あぁ、この辺りは、あまり歩いてなかった。盲点だった。しかも、店の間口は狭く地味。あまりにも目立たない。とにかく発見できてよかった。
ボクは店に入った。
バルとか、今どきの店じゃない。さりとてきれいな店でもない。どちらかといえば疲れた店という感じ。
「ネオホマレ」という店名。その名前をきいてピンときた。もしかすると、ここは、伝説の床屋、「バーバーホマレ」の跡地ではないか。カウンターに陣取り、「ホッピー 白」をオーダーして、ボクはスマホで検索すると、果たしてその通り。この地は、その伝説の地だった。その店名を立ち飲みが受け継いだ。
カウンター奥に、ビリケンさんが鎮座。なるほど、ここは串揚げ・串焼きのお店らしい。カウンターの後ろはテーブル席。そこには、スツールが用意されている。半分転んでいるようだ。テーブルはビールケースを積まれてこしらえられており、今にも崩れそうだ。
ボクは串焼きで、「ハラミ」をオーダーした。
店の雰囲気は、あまり楽しい雰囲気ではなかった。カウンターには3人ほど、客がいたが、全て一人客で、無心に酒を飲んでいる。店主も積極的に客に話しかける風でもなく、しんみりとした雰囲気である。
しみじみとした雰囲気でも、楽しい酒はあるが、どうにもあまりワクワクしてこない。湧きあがるグルーヴ感がないのだ。
「ハラミ」は品質がよく、身の大きさも申し分ない。それを甘めのタレでいただく。仕入れも焼きも、いいのに、この居心地の悪さったら。
結局、ホッピーは「ナカ」を一杯お代わりしただけで店を後にした。
伝説の地の重力が店の雰囲気を重苦しいものにしたのか。それとも、単なる気のせいか。ちょっと、不完全燃焼な立ち飲みだった。
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