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取手を過ぎると車窓は急に田舎の風景になった。
高い建物が少なくなり、空き地も目立つ。畑や田んぼが増え、時々蓮根を栽培する沼が現れる。
いい風景だ。
だっ千葉や埼玉県北とはまた違う田舎の景観。
羽鳥という駅に向かっているのだが、有料特急を使わず、快速のような電車に乗ってしまい、土浦で乗り換えなければならなくなった。その土浦に降りて、向こう側のホームを見ると、どうも駅そばのような小屋が見えた。
時刻は11:30。
乗り換えの電車が到着するまで、あと15分ほどある。ちょっとひとっ走りして、そばでも食べるかと階段を昇り、上りホームへ。
店の名前は「華月庵」。地場の店だろうと一瞬思ったが、店の外にある券売機の前に立つと見覚えのあるマシーン。都内のJR駅でお馴染みのものだ。
ここもJRに絡み取られたか。
ともあれ、ここで昼飯を食べようと「かき揚げそば」のボタンをオン。食券を買って店内に入ると店内にある2つのカウンターは2人の客で占領されていて、自分の食べるスペースを確保できない。
店内が狭過ぎる。各カウンターは一人分のスペースしかなく、2人で満席。京成青砥駅の「三松」も狭いが、カウンターで3人は食べられると思う。
やがて、自分の「かき揚げそば」が出来てきて、受け渡しカウンターに置かれた。画像を撮影したのはその時である。ただ、この受け渡し口で食べるのもありかとは思う。けれどここに陣取るとお店は接客ができなくなる。仕方なしに自分は丼を持って食べることにした。
つゆは辛い。
丼を覆うほどの馬鹿でかいかき揚げ。
恐らく、そばもつゆも、そしてかき揚げさえも日本クロスステーションのものだろう。駅そば屋があるだけでいい。
しかし、都会を離れて、ローカル駅の掘建小屋で食べると、JR子会社の機械的なそばも味わい深く感じる。やはり食事を演出するのは雰囲気だ。上野から特急で約50分。駅のホームにあるボロい小屋で電車の待ち時間にいただく立ち食いそばはおおいに旅情が掻き立てられる。
結局、丼を持ったまま完食し、店を出た。
急いで隣の下りホームに戻ろうとした時、向こう側のホームに見えたのは、「華月庵」の看板だった。なんだ、下りホームにもあったんだと思う一方、電飾の看板の店舗としての風格は桁違い。ただね、下りホームの方がよかったかとは思わない。ボロい小屋の方が断然いい味出してると思う。
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