「文月商店」を出て、もう一軒。
やはりなかなか行けなかった「カルネ&ヴィーノ ワインバースタンド」へ。
こちらも東十条にあるお店。以前、何回か行った時、赤羽にも店舗があることを知る。その場所、一番街のOK横丁のさらに脇の道。この立地は気づきにくい。
「カルネ&ヴィーノ」に行く前に一番街の中心を一周した。「まるます家」を曲がり、「番長」をまた曲がって通りを歩いていると、見知らぬ立ち飲みを発見した。ものすごく小さなお店。ここは今まで見逃していた。また一つ赤羽の宿題が増えたか。そう思い通り過ぎたが、どうにも気になる。そこでお店に入ってみることにした。
5,6人入ったら満員になりそうな小さな店舗。店内は薄暗く、既に2人の男が酒を飲んでいた。その間に入れてもらい、カウンターにポジションした。
店内はビートルズのナンバーがかかっている。
それだけでなんかもう得した気分になった。
店員さんは若い女性である。見たところ、20代前半のような感じ。
さて、何をいただくか。メニュー表のようなものがなく、カウンター内にある小さなホワイトボードにいくつかのドリンクの名前が書いてあるきり。全く分からないので、正直に店員に尋ねた。
「何がいいかしら」と自分。
洋酒はどういうものが好きかとか、そういうやりとりがいくつかあって、彼女が選んだのは、「コーヒーラム」のソーダ割り。面白そうだ。
昔、新橋「工藤軒」の「コーヒー酎」にハマったことを思い出した。
一口いただく。
意外にすっきりしていて、ラムの甘味とコーヒーの苦味が独特の味わいを出している。これはいける。
きくと、このお店は昼間はコーヒースタンドだそう。このコーヒーラムはタンザニアの豆から抽出したのだという。
自分の左隣のお兄さんは、このお店の店員さんで、この日は休みで客として来たらしい。右隣のお兄さんは自分と同年代風。ちょくちょく酔っては1,2杯飲んで帰るらしい。
店内のビートルズのナンバーが続く。
アルバムは「A Hard Day’s Night」だな。
店員に聞くと、このアルバムはアナログ盤らしい。レコードなのだ。棚の一角にはLPレコードのコレクションも収納されている。
渋いじゃないか。
お酒にはスナックがついてくるが、結構うまい。でんろく豆みたいなのと、ちょっと甘いおかきのミックス。恐らく、このスナックには幾らかの料金が発生していると思われるが、おかわり自由なのがいい。
「コーヒーラム」を飲み干し、おかわりを求めたが、この酒はこれで売り切れらしく、どうしようかと困ったら、お店の子からクラフトジンを勧められた。
最近、クラフトビールととに小さな蒸溜所ができているニュースをきくが、あまり身近な飲み物ではない。ジントニックにするのかなと思っていたら、ソーダ割りを提案された。ちょっと試してみるか。
そのクラフトジンが本当においしかった。
雑味がなく、ほんのりと甘い。ジンはちょっと辛いと思っていたが、このクラフトジンはそうではなかった。クリアで繊細な味は焼酎とは違う魅力に溢れていた。自分でもちょっとした驚きである。
20代と思しき若い店員は知識があり、おしゃべりも上手だった。
そしていい音楽にうまい酒。
とりわけ、クラフトジンとの出会いは自分の中に新たな扉を開けてくれたように感じる。
いいお店を見つけたと思う。
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