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秋葉原の昭和通り口。前回は「金子屋」の牙城について書いたが、実はもう一つ台風の目になっている店がある。
チェーン展開する「新時代」。2018年7月にオープンすると瞬く間に人気店になった。その理由は一杯190円の「スーパードライ」と一本50円の「伝串」。この変わった名前のメニューは、伝説の串の略らしい。内容は鶏皮。特製タレと白胡麻がまぶされた、れっきとした串焼きである。今時、50円で何が買えるというのか。ましてや、居酒屋の串焼きで。「かぶら屋」で80円だし。自分がよく行く、十条銀座の店の串焼きは最近値上げして66円になった。その破格の「伝串」を食べに、会社のA藤君と部下のI堀さん、そしてN藤君と出かけてみた。
その「伝串」、正直な感想として、やはりたいした代物ではなかった。
ただ硬いだけの鶏皮。はじめは段ボールかと思ったほど。タレには高麗人参を用いた特製のものがかけられているが、甘ではなくパンチがない。50円とする値付けの企業努力は認めるが、自分の好みではない。
ただ、これを4本頼んで「生ビール」を4杯飲んでもわずか960円は素晴らしい。つまり、ビール一本に対し、「伝串」一本の割合でセンベロは成立する。
残念なのは、話題性はそれだけで他のメニューはパッとしないこと。290円の「緑茶ハイ」は薄く、「煮込み」も凡庸。
前回の「居酒屋さすらひ」でも、同じことが言えるが、最近「大衆酒場」を屋号の前につける店が増えている。大衆酒場は自分から名乗ってはいけないように思う。結果的に大衆が集まることで、そこは大衆酒場として認知されるのであり、それを決めるのは客側なのではないか。自ら大衆酒場と名乗るのは、偽物だと思う。
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