
「美味しんぼ」9巻。「ハンバーガーの要素」は海原雄山の優しさが溢れていた。「アメリカ人好みのあさましい食い物」。ハンバーガーを巡る物語である。
〽︎そして腹ペコを抱えた俺たちはバーガーショップに駆け込んでポテトをコーラで流し込む
バーガーショップは高校生の聖地だった。
専門学校生の時、タイマーズのゼリーにかぶれて、彼の出立ちを真似て、いろんなバンドに飛び入りした。一人ユニットの名前はバーガーバーにした。その名称は当時、お酒が飲める唯一のバーガーショップの店名だった。
ハンバーガーが大好きだ。
石垣島2日目の夜。公設市場で第一ラウンドを終え、帰り際にバーガーショップに立ち寄った。テイクアウトして、ホテルで第二ラウンドをするつもりで。
石垣島のバーガーショップは「A&W」といった。沖縄だけしかないほんまもんのアメリカンバーガー。沖縄では、「エンダー」と呼ばれている。お店はなかなかレトロな雰囲気で、フランチャイズの有名所とは違う感じ。そのゆったりとした空気感が気に入った。
「チーズバーガー」3個は自分以外の家族の分。
自分は「Jrメルティ」なるものを選んだ。「メルティ」もチーズバーガー系なのだが、チーズバーガーと、「メルティ」の区別は分からない。
バーガーの出来上がりまで店内で待つことになった。
すると、店内のポスターに目が留まった。アメリカンなデザインでルートピアを訴求していた。ルートビアか。しかもそのルートビアはドラフトのようで、これは珍しい。後で調べてみると、「A&W」はもともとルートビアのメーカーだったようだ。古くはアメリカ禁酒法の時代で「A&W」のルートビアは台頭したらしい。
ルートビアには文字通り苦い思い出がある。初めて海外に行ったグアムで、珍しいファンタを見つけた。グレーの缶で、ルートビアと書かれている。買って飲んだら、まずいのなんの。一口飲んで捨ててしまった。
でも、ルートビアを開発した「A&W」の、しかも沖縄にしかないローカルなバーガーショップの名物だったら、飲んでみたいと思った。追加注文しようかと悩んだが、ドリンクの持ち帰りは一抹の不安がある。結局、明日また訪れようと思い、頼むをやめた。だが、得てしてそんなプランは大抵実行されない。結局、「A&W」のルートビアを飲むことはなかった。
肝心のバーガーだが、これが実にバカうまだった。「メルティ」はチーズがふんだんに使われていて、トロっとろ。これを石垣の泡盛「請福」でいただいたが、しっかりと合った。泡盛は甘味があるから、肉系の食事でも相性がいい。
悪い意味でもいい意味でも沖縄社会に溶け込んでいるアメリカ。そのアメリカが「A&W」から開幕みえた。自分のようなものでも、アメリカは憧れだった。また、来たい。というより、また来なければならないと強く思った。
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