恵比寿の立ち飲み屋は敷居が高い。
「立呑屋」を除けば大抵が横文字である。
この日も「Tio Dnjo」というスペインのバル風の店に行ってみようかと思い店の前まで行って逡巡してしまった。
とてもサラリーマンのオヤジが一人で入れる雰囲気ではないのだ。無理して入って全然リラックスできないのならば、なんともつまらない。
そんなわけで、「Tio Dnjo」はやめることにしたのである。
「さて、帰るかな」とJR恵比寿駅に向う途中、横道の小路に酒屋らしきものがあることに気付き覗いてみると、なんとそこは角打ちだった。
「梅暦酒店」。
「うめごよみさけてん」と読むらしい。
なんとも古風な。スペイン風のバルからなんとも落差が激しすぎる。
店のドアは緑色の木枠でこれが欧州風でなかなかお洒落。
手作りの味わいが垣間見える。
そのドアを開けて中に入ってみた。
角打ちといっても、一般的な小売店といった感じではない。
それほど大きくもない冷蔵庫とカウンター背後の棚に日本酒が飾られている。カウンターは10人も立てば満員になりそうなお店で、角打ちというより完全に立ち飲み屋といった風情である。
店に入ると客が一人、カウンターの奥にはママらしき人がいる。
冷蔵庫から適当なお酒をとってもいいのだろうが、生ビールがあるようなので、それを貰うことに。
角打ちなので、さぞかし注ぎ方にはこだわると思っていたが、それほどでもなく泡はけっこう散らばっている。
これで420円。恵比寿の駅近なら妥当なところだろうか。
これは後で分かったのだが、「シブヤ経済新聞」の記事によると同店は昭和29年創業の小売酒屋。しかし、周辺環境の変化によって、まず住民が減少し、更に駅ビルに酒屋がテナントするなど逆風が吹き荒れたという。こうした中、業態の転換を決意したのは平成9年のこと。店舗の一部をテナントで貸し出し、小さなスペースを使って立ち飲み屋をスタート。お店を切り盛りする柳沼裕子さんは飲食業の仕事は初めてという。だが、オープン以来13年間、多くのファンがつき常客はかなり多いのだという。
本来は、柳沼さんの他にお嫁さんも店を手伝うようだが、この日は柳沼さんひとりしか姿は見えなかった。
お酒は角打ちだけに豊富。
ビールや焼酎、日本酒のみならず、ワインやウィスキーとなんでもござれといったあんばいだ。
生ビールはやっぱりサッポロ。さすが、サッポロの城下町である。
つまみは「柿ピー」といった乾きものから日替わりの一品料理。ママが献立を考え、作ってくれるのだ。一品が280円だからかなりお値打ちである。
この日は「豚キムチ炒め」であった。
迷わず、わたしも頼んでみた。
料理はプロフェッショナルではないが、しかしこれこそ本当の家庭の味といってもよいだろう。
だから、かしこまる必要などないのである。
だが、ママは常客とばっかり話をしている。
ママはかなりお喋りなのかもしれない。
お客のおじさんは、どこかの公共機関に勤務しているのか、民主党政権になった仕分け作業が自分のところに飛び火してくる話題に終始していた。
わたしは「柿ピー」と日本酒の常温を頼んだ。
日本酒の銘柄は分からなかったが、かなりいいお酒が出されていると核心した。
掛け値なしにうまいとはこういうことをいうのだろう。
正一合で価格は僅か320円なのである。
BGMはFM。
ギターが店内に飾られているということは、ママは音楽空きなのかもしれない。
厨房の天井際にちょっとした本棚があり、そこには吉田類さんの「東京立ち飲みクローリング」置いてある。
相当、他店を研究しているとみた。
毎日、通う常客のいるとのこと。
なにしろ、これだけ安く飲め、しかもママとお嫁さんとのトークが出来るのだから、これは破格な値段といえる。
ちなみに軽妙なトークは相当通わねばならないかも。
わたしの場合、全く話しをしてもらえなかった。
「立呑屋」を除けば大抵が横文字である。
この日も「Tio Dnjo」というスペインのバル風の店に行ってみようかと思い店の前まで行って逡巡してしまった。
とてもサラリーマンのオヤジが一人で入れる雰囲気ではないのだ。無理して入って全然リラックスできないのならば、なんともつまらない。
そんなわけで、「Tio Dnjo」はやめることにしたのである。
「さて、帰るかな」とJR恵比寿駅に向う途中、横道の小路に酒屋らしきものがあることに気付き覗いてみると、なんとそこは角打ちだった。
「梅暦酒店」。
「うめごよみさけてん」と読むらしい。
なんとも古風な。スペイン風のバルからなんとも落差が激しすぎる。
店のドアは緑色の木枠でこれが欧州風でなかなかお洒落。
手作りの味わいが垣間見える。
そのドアを開けて中に入ってみた。
角打ちといっても、一般的な小売店といった感じではない。
それほど大きくもない冷蔵庫とカウンター背後の棚に日本酒が飾られている。カウンターは10人も立てば満員になりそうなお店で、角打ちというより完全に立ち飲み屋といった風情である。
店に入ると客が一人、カウンターの奥にはママらしき人がいる。
冷蔵庫から適当なお酒をとってもいいのだろうが、生ビールがあるようなので、それを貰うことに。
角打ちなので、さぞかし注ぎ方にはこだわると思っていたが、それほどでもなく泡はけっこう散らばっている。
これで420円。恵比寿の駅近なら妥当なところだろうか。
これは後で分かったのだが、「シブヤ経済新聞」の記事によると同店は昭和29年創業の小売酒屋。しかし、周辺環境の変化によって、まず住民が減少し、更に駅ビルに酒屋がテナントするなど逆風が吹き荒れたという。こうした中、業態の転換を決意したのは平成9年のこと。店舗の一部をテナントで貸し出し、小さなスペースを使って立ち飲み屋をスタート。お店を切り盛りする柳沼裕子さんは飲食業の仕事は初めてという。だが、オープン以来13年間、多くのファンがつき常客はかなり多いのだという。
本来は、柳沼さんの他にお嫁さんも店を手伝うようだが、この日は柳沼さんひとりしか姿は見えなかった。
お酒は角打ちだけに豊富。
ビールや焼酎、日本酒のみならず、ワインやウィスキーとなんでもござれといったあんばいだ。
生ビールはやっぱりサッポロ。さすが、サッポロの城下町である。
つまみは「柿ピー」といった乾きものから日替わりの一品料理。ママが献立を考え、作ってくれるのだ。一品が280円だからかなりお値打ちである。
この日は「豚キムチ炒め」であった。
迷わず、わたしも頼んでみた。
料理はプロフェッショナルではないが、しかしこれこそ本当の家庭の味といってもよいだろう。
だから、かしこまる必要などないのである。
だが、ママは常客とばっかり話をしている。
ママはかなりお喋りなのかもしれない。
お客のおじさんは、どこかの公共機関に勤務しているのか、民主党政権になった仕分け作業が自分のところに飛び火してくる話題に終始していた。
わたしは「柿ピー」と日本酒の常温を頼んだ。
日本酒の銘柄は分からなかったが、かなりいいお酒が出されていると核心した。
掛け値なしにうまいとはこういうことをいうのだろう。
正一合で価格は僅か320円なのである。
BGMはFM。
ギターが店内に飾られているということは、ママは音楽空きなのかもしれない。
厨房の天井際にちょっとした本棚があり、そこには吉田類さんの「東京立ち飲みクローリング」置いてある。
相当、他店を研究しているとみた。
毎日、通う常客のいるとのこと。
なにしろ、これだけ安く飲め、しかもママとお嫁さんとのトークが出来るのだから、これは破格な値段といえる。
ちなみに軽妙なトークは相当通わねばならないかも。
わたしの場合、全く話しをしてもらえなかった。
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